日本の経費負担で雇われている在日米軍基地の従業員の2割ほどがバーやゴルフ場など基地内の娯楽・飲食施設で働いていることが論議になっている。防衛省から情報を得た民主党では、「無駄遣いがひどい」との声も上がっているが、ネット上では「仕方がない」という意見が意外に多い。
ケーキデコレーター、動物世話係なども
日本政府は、「思いやり予算」として、米軍基地の従業員約2万5000人の人件費のほとんどを負担している。08年度予算案では、1463億円を計上。その支出のための特別協定が2008年3月末で切れるため、国会で3年間の新協定承認案が審議されており、バーテンダーなどの血税負担問題はそこで取り上げられた。
きっかけは、防衛省の資料で、基地従業員の約2割5000人ほどが娯楽・飲食施設で働いていることが分かったことから。人件費の内訳を見ると、コック456人などが多いものの、娯楽性の高い職種で、バーテンダーが76人、ゴルフコース整備員が47人を占めた。このほか、ケーキデコレーター、動物世話係、観光ガイドなどもあった。こうした職種での平均年収は、クラブマネジャーの639万円をトップに、3~500万円台となっている。従業員の多くが日本人だという。
毎日新聞3月14日付記事によると、民主党からは、こうした職員を雇うことに対し、「道路特定財源(の無駄遣い)よりひどい」「(娯楽関係の)人件費は米国がまかなうべきだ」などと反発が噴出したという。民主党本部では、J-CASTニュースの取材に対し、「党として結論は出ていないが、そういうものが必要なのかどうか質問が出た」と説明している。
これに対し、防衛省は、理解を求めている。広報課の担当者は、J-CASTニュースに、「これらの様々な負担が在日米軍の効果的な活動の確保という特別協定の目的に沿うものと考えています。しかし、アメリカ側とは包括的な見直しで合意しており、(議員からの)ご指摘を踏まえて、今後議論していきたい」と答えた。
「娯楽で気晴らし『させてあげる』事は日本にとって大事」
毎日の記事は、ミクシィ内でも配信され、数多くの日記に取り上げられて話題になっている。それらに目を通すと、「娯楽」予算に理解を示す声が多い。
東京在住の30歳男性は、日記の中で
「アメリカさんも~所詮は人の子やし。娯楽で気晴らし『させてあげる』事は日本にとって大事なことやで~。そうじゃなくても~一方的に守ってもらうだけな役割なんやろ? だったらせめて心のケアくらいはしてもいいような気がする(・o・) 徹底的にケアして~最悪基地からでなくてもOKな状況にしちゃえば~暴行事件はまず起きんかもよ~」
と記した。また、
「飲食や娯楽などのサービス業が駄目なら、ほとんどの日本人米軍基地従業員は失業することになる。沖縄なんか只でさえ失業率が高いのに大変なことになるだろう」
「こういう予算が無ければ、アメリカはあっさりと日本を切り捨てていくでしょうね」
などの意見もあった。
民主党内でも、反対ばかりではないから複雑だ。ある国会議員の秘書は、「必要なものは必要かなという感じもします。地域の雇用を下支えする点では、意味があります」と漏らした。
もっとも、ミクシィの日記の中にも、疑問の声はある。
「バーのウェイトレスが国家公務員並の待遇とは‥」
「なれほど、民主党はアメリカの基地で働いてる日本人を解雇して、さらに兵士のガス抜きは基地内でなかく地元のお店でお金を使えと言ってるんですね ついでに『思いやり予算』も減らすんですよね」