円相場が1995年11月以来12年4か月ぶりに1ドル100円の大台を突破した。東京市場は2008年3月14日午前に101円を挟んで取引されたが、一時ドル売りが進み99円をつけた。07年夏以降のサブプライム問題をきっかけとしたドル売り傾向は一気に進んで、東京証券取引所に上場する企業の多くの株式が続落した。円高、そして株価の下落はどこまで進むのか。
ドル売りの流れはすぐには収まりそうにない
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株安はどこまで進むのか(写真はイメージ)
急速な円高ドル安の背景には、サブプライム問題に端を発した欧米金融市場の信用収縮や、米国の後退懸念とそれに伴う大幅な追加利下げの観測などがある。日本経済も景気の後退懸念があるので、積極的な「円買い」など起こっていないはずなのに、米国の事情で円高が進んでしまった。
日本総合研究所の調査部欧米経済・市場グループ長の牧田健氏は「米国は景気下支えのため、ドル安を容認しているし、G7が中国に為替管理をやめるよう求めているなかで、日本が為替介入できる状況にない」とみており、4~6月期は1ドル96円~105円、7~9月期は1ドル96円~108円で推移するとしている。
第一生命経済研究所の嶌峰義清・主席エコノミストは、「当面は1ドル95円~101円での推移が続く」とみている。
米国景気の悪化や金融市場の混乱が続くなかで、ドル売りの流れはすぐには収まりそうにない。