ネットでは疑問視する声も
斎藤さんは、福田首相にKY(空気読めない)言動が目立つようになったのは、年金問題からとみる。記録の一部が特定困難になったことについて、記者団に対し07年12月12日、「公約違反というほど大げさなものなのかどうか」と述べて、反発を浴びた。斎藤さんは、安倍前首相の公約だったことからこの発言が出たとみているが、斎藤さんの見方に立てば、「ツン」も不発だったらしい。
最近では、中国製毒ギョーザ事件で08年2月28日、日本での農薬混入を示唆した中国に対し、「(中国側は)非常に前向きだ」と述べて、ネットで批判されてもいる。これは、斎藤さんの見方からすれば、中国に親近感がある首相の「デレ」が裏目に出たものか。
こうした失言と同時に、支持率の低下も目立っている。共同通信社が07年12月15、16日に実施した世論調査では、支持率が前回比11.7ポイント減の35.3%。最近の各社世論調査でも、一部で30%を切り、不支持率が50%を超えるケースもみられる。
KY言動がきっかけなのか、支持率の低下がKY言動を生んだのか。因果関係はわからないが、クールな中に政策への熱き思いを見せる「ツンデレキャラ」は、最近は影を潜めているようだ。イージス艦事故の問題では、国会の答弁で突然切れたり、目に涙を浮かべたりして、「ツン」と「デレ」がうまく噛み合っていないかのような情緒不安定な様子もみせた。
なお、ツンデレを広めたとみられる2ちゃんねるのスレでは、「官房長官時代は切れ者って印象だったけどね 要するに仕切りが上手かったんだな 総合的に判断するとか自ら先頭に立って斬り込むとかが下手だ」といった書き込みがあり、福田首相をツンデレとする見方を疑問視する声が多かった。