18歳以上の人物が児童を演じる場合も規制対象
「準児童ポルノ」は、「被写体が実在するか否かを問わず、児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写したもの」と定義され、具体的には「アニメ、漫画、ゲームソフトおよび18歳以上の人物が児童を演じる場合もこれに含む」のだという。
そうなると、「18歳以上の女性が中高生を演じたわいせつビデオ」はもちろん、直接的な被害者が発生しないはずのゲームキャラも規制対象に含まれ、所持しているだけで処罰される、と読める。
ネット上では早速、今回の動きに反対する動きが噴出している。2ちゃんねるでは「『熟女モノ』以外は児童ポルノだと認識されてしまうのでは」という声が多数出ているほか、最大手SNS「ミクシィ」でも「準児童ポルノ」に反対するコミュニティーが立ち上がっており、現在流通しているアニメが取り締まられることを危惧する声であふれている。具体的には、平たく言えば
「自分が好きな作品内のキャラクターが性的行為をした際に、仮に成人キャラであったとしても『18歳未満に見える』というだけで『児童ポルノ』と取り締まられてしまうのではないか。被害者が全くいないのに、取り締まるのはおかしい」
といった、「今、自分が持っている作品が取り締まりの対象になってしまうこと」への危機感を表明するコミックファンの声がほとんどだ。
メディアでも、この問題を指摘する声が出始めている。特にこの問題に敏感に反応したのが、テレビでも「エキサイト新聞」として紹介されることが増えている「東京スポーツ」だ。翌3月12日の紙面では、この問題を「ロリータAV消える?!」という見出しを立てて指摘。
「童顔のAV女優がセーラー服を着て演技することも『違法』になってしまう」
とした上で、AV制作会社関係者の
「セーラー服やメイドなどのコスプレを着ただけでも、(法律に)引っかかる恐れが出てくる」
という声を伝えている。
前出のキャンペーンの発表会では、この「準児童ポルノ」についての質問に対して、主催者側が
「明らかに児童でない人の場合は(規制の)対象外になると思う」
と説明する一幕もあったが、依然として解釈の幅は広そうだ。
「子どもたちを守る」というのが最優先なのはもちろんだが、基本的な権利である表現の自由とも密接に関連するだけに、さらに議論を呼びそうだ。