厚労省の実態調査とかけ離れた「実態」
厚生労働省が2月21日に公表した「介護給付実態調査月報」(07年12月審査分)によると、介護サービスの受給者は全国で292万5000人。受給者一人あたりが介護施設や介護サービス業者に支払っている費用は月間17万4700円に上る。比較的高く見えるが、吉田局長はこれが「実態に即していない」という。
こうしたデータは、全国約3400ある老健介護施設がそれぞれ厚労省に提出している。ただ、老健介護施設は、認知症などの病状があり、リハビリテーションなどの医療を必要としている老人の介護施設なので病院やグループホーム、在宅ケア・サービス事業者などの医療法人が併営しているケースが多い。そのため、老健施設単体の状況がきちんと伝わっていないのだという。「老健施設の実態をしっかり伝えていないことにも問題はあるが、(厚労省側も)そちらが提出したものをまとめているとして、本当の実態を見てくれない」(吉田局長)と、その対応には不満げだ。
J-CASTニュースは、厚労省老健局に介護職員の平均年収を聞いたが「(実態調査にあるように)利用者側の数字はあるが、そのような数字は把握していない」と答えた。