独自の「コミュニティFM」を模索
町議会なども各局に中継局の設置を要望しているが、コストの問題などから誘致には至っていないというのが現状だ。今回の事件に巻き込まれた形のエフエム北海道の管理本部では、事件について
「放送波を勝手に再送信されたというのは、これまでちょっとないことで、びっくりしています」
とした上で、
「現在のカバー率は83%で、出来れば全道をカバーしたいのですが、古くなった設備の更新など、経営との兼ね合いを考慮しないといけません。中標津に中継局を作るとなると、広い地域ですから、(札幌市の手稲山にある)親局の出力が5キロワットなのに対して、1キロワットぐらいの大出力設備が必要になります」
と、コスト面から設置の見通しが立たないことを明らかにした。
町内では、このような状況に見切りをつけ、別の道を模索する動きも進んでいる。町内の自営業者ら有志が、通常の放送局よりも出力が小さく、安価に設立できる「コミュニティFM」を始めようとしているのだ。08年春にも運営会社を立ち上げ、08年夏の放送開始を目指す。中標津町の経済振興課でも、
「災害時に情報がリアルタイムで流せるのが魅力。他にも、『吹雪で●▲学校が臨時休校です』といった、地域情報が流せればと思っています」
と前向きで、開局した際には協力協定を結ぶことを検討するという。