郵便事業会社の作業能力に課題
ところで、なぜゆうちょ銀と郵便事業会社の話がまとまらなかったのか。
一部新聞では、郵便事業会社が煩雑な作業に難色を示したとしている。これに対し、同社渉外広報部では、その事実を否定し、ゆうちょ銀でも、「会社間のことなので、コメントは差し控えたい」と答えるのみだ。
テキスト発送が入札方式になったことについて、同行では、
「郵便で送る場合は、郵便事業会社にお願いすることを考えます。今回は、大量の冊子を倉庫から搬出して、大量のあて先にラベルを張って送る作業です。そのような仕事を請け負っていただける業者、ということで実施しました」
と説明する。
郵便事業会社は、こうした仕事も行っている。しかし、相談がまとまらなかったということは、作業能力がなかったということにならないか。
ネット上では、同社に対する批判が出ている。ブログ「おやじの戯言綴」では、
「身内から裏切られていたとは・・・洒落にもならない(中略)一般競争入札にすることを回避できないぐらい日本郵便の配送料が高いのなら、日本郵便も『勉強』してもらわないと」
と苦言を呈した。また、ブログ「流されるままトレード日記」では、
「まだまだ意識的に民営化されてないよね。ちょっと前にローソンと提携して、郵便局にコンビニを併設させるとか報道されてたけど、そんな繁雑作業の極みみたいなコンビニ業務が郵便局員に勤まるとはとても思えないんですけど」
と感想を漏らしていた。
08年の年賀状販売に当たっては、郵便事業会社が郵便局会社とは別に郵便局前に特設販売所を設けて話題になるほどの商魂を見せた。結果的にテキスト発送で「使えない」会社になった郵便事業会社が、今後生き残るには、煩雑な作業でも低コストで対応できる能力をいかに磨くか、という点にもかかっているようだ。