「前も後ろも車輪が小さい自転車」というのが完成像?
では、この「安定した自転車」とは、どのような形になるのだろうか、自転車メーカーに聞いてみた。「ブリヂストンサイクル」(埼玉県)のマーケティング本部によると、
「現在は、前か後ろに子どもを乗せられるタイプの自転車を発売しているので、これをベースに検討することになると思います」
と話す。具体的には、
「今販売されている、前に子どもを乗せるタイプでは、前輪の直径を小さくして重心を下げ、ハンドルのふらつきを押さえる仕組みになっています。逆に、後ろに乗せるモデルでは、後輪を小さくして後部の重心を下げるようになっています」
とのことで、「前も後ろも車輪が小さい自転車」というのが、今のところの完成像のようだ。その一方で、
「(新モデルについて)自転車協会から検討するように言われていますが、業界内部で基準が作られないことには、なかなか開発も進まないのでは」
とも話し、困惑している様子だった。
かつての「ナショナル自転車」が名称変更した自転車メーカー「パナソニックサイクルテック」(大阪府)でも、
「これまでに発売した三輪自転車を流用して開発する可能性はありますが、細かい基準などが業界内で固まらないと、設計のしようがないです」
と話していた。
さらに、前出の「ブリヂストンサイクル」によると「従来のモデルに比べて割高になるのは避けられない」とのことで、仮に3人乗りが「容認」されたとしても、家計の負担は増えるのは間違いなく、「子育てママ」の悩みが増えそうだ。