「まつ毛エクステ店」90%は危ない 「角膜炎」や「まつ毛損傷」多発

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   まつ毛1本ずつに接着剤で人工のまつ毛を付ける「まつ毛エクステンション(エクステ)」のトラブルが急増している。全国の消費者センターに寄せられた危害の相談件数は2007年が前年の倍の18件だが、これは氷山の一角で、実際に危害に遭ったのは相談件数の20~30倍と推定されるという。原因の多くは施術者の技術力不足だそうだが、業界関係者の話によれば「エクステ店の90%は技術、知識が足りない」というのだ。

実際の「危害」は相談件数の20~30倍?

   まつ毛エクステとは、エクステンション(人工毛)を1本ずつの接着剤でまつ毛に付けていくもので、従来の人工まつ毛が束になった「付けまつ毛」よりも自然に見え、思い思いにボリュームアップできる。数年前から若い女性に支持され、07年以降はエステやネイルサロンなどでも施術する店が急増した。

   東京都生活文化スポーツ局によると、まつ毛エクステは法的規制がなく誰でも施術できるため、05年頃から専門店以外にも施術する業者が増えてきて、それに伴い全国の消費者センターへの相談が急増してきた。2007年が前年の倍の18件で、実際にトラブルになったのは相談件数の20~30倍と推定されるという。

   危害の症状としては接着剤が原因の角膜炎とドライアイ。まぶたの痛みの後、まつ毛の半分が損傷を受けた、などがあるという。同局では08年2月21日にまつ毛エクステの危害情報をホームページで公開し、利用者に注意を呼び掛けるとともに、業界への実態聞き取り調査と、今後の対策について検討を始めた。

   それではなぜ、まつ毛エクステの危害が起きているのか。業界団体「日本睫毛エクステンション協会」の富島伸英会長はJ-CASTニュースの取材に応じ、

「まつ毛エクステ人気を背景に、技術や知識が不足している者が施術するようになっているからです。現在、まつ毛エクステをしている店舗の90%はきちんとできていない、と見ています」

という惨憺たる状況にあるのだそうだ。

ネイルサロンが客引きで「まつ毛エクステ」の看板

   こうした店舗が増えていった背景には、免許がなくても施術者になれるため、ヘアサロンやネイルサロンなどが、「客引き」を狙いに看板を掲げるようになったこと。さらに、まつ毛パーマ、アートメイク、脱毛が、医師法、薬事法に該当する業種になり、廃業した業者が流れてきたためではないか、と、富島会長はいう。つまり、「専門」外の業者が増えたからだそうだ。同協会では今後、技能検定試験やセミナーの回数を増やし、業界全体の技術・知識の底上げを図る計画のようだ。また、

「小動物を店で飼っているような店舗や、他業種と併設している店は避けたほうがいいのでは」

と富島会長はアドバイスしている。

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