米大手コーヒーチェーンのスターバックスが、「従業員を再教育する」として、全米の店舗を数時間にわたって閉店した。伸び悩む業績をテコ入れするための方策の一環と見られており、全世界43か国で同様の研修を行うという。その一方で、日本国内での業績はきわめて好調で、「米国で決まったばかりなので…」と困惑した様子だ。
「具体的なことについては何も決まっていません」
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「一斉研修」では、グループワークも行われたという
米スターバックスは2008年2月27日(現地時間)、17時半から約3時間半にわたって、全米ほぼ全店にあたる7100店を一時閉鎖。全米13万5000人を対象に研修が行われた。同社の発表によると、
「すべての飲みものに他にはない品質を確保するための、一新されたエスプレッソの基準を提供するための包括的教育カリキュラム」
が行われたといい、「研修後は完璧な飲み物を出す」と胸を張っている。
もっとも、現地マスコミからは、「米国での売り上げと株価を改善するための方策の一環」と、必ずしも前向きな受け止め方をされていない様子だ。その背景には、同社がリストラ策を進めていることがある。
1月7日には、ハワード・シュルツ会長が最高経営責任者(CEO)を解任して自らCEOに復帰、店舗戦略の見直しを明らかにした。その結果、赤字店舗100店を閉鎖し、従業員600人をリストラすることになった(すでに220人は解雇済み)。少なくとも、米国については「順風満帆」とはいかないようだ。
さらに、米国での発表によると、この「一斉研修」は、「米国以外の43か国で、ここ数ヶ月で行う」とされている。日本法人の広報担当者によると、日本もこの対象に含まれているというが、
「米国からの方針が決まったばかりで、『いつ、何をするか』など、具体的なことについては何も決まっていません」
と、「米国の唐突な決定にとまどっている」とも取れる様子だった。