幼児を前後に乗せる自転車の「3人乗り禁止」が、08年春にも明文化されることに、小さい子供を持つ親が大反発している。特に東京は保育園への車での送迎が原則禁止されているため、「生活が不便になる」「子供一人を家に残していけない」「子育て支援に逆行する」という悲鳴に似た声が聞こえる。しかし、警察庁は交通安全を考えれば当然のこと、としており、この騒動は簡単に収まりそうに無い。
違反であっても「見逃されてきた」
自転車は何人乗りが適切なのか(写真はイメージ)
警察庁は「交通の方法に関する教則」を約30年ぶりに改正するにあたって、自転車については、補助椅子を使ったとしても3人乗りは「できない」などと明文化する方針だ。違反した場合は「2万円以下の罰金または科料」にするという。早ければ08年春に、遅くても08年6月19日までに実施される計画だ。もともと3人乗りは禁止で、特例として、ひもを使って1人をおんぶし、補助椅子に1人を乗せて運転することは認めている自治体もある。ただ、荷台を使って前後に乗せた3人乗りについては、違反であっても「見逃されてきた」経緯がある。
3人乗り禁止について、親たちから反対の意見が多く出ている。
「赤ちゃんを寝かせて外出するのと、母親が責任を持って自転車で一緒に行動するのと、どちらが危険なことでしょうか」(朝日新聞08年1月19日付け、『声』)
「どうやって保育園に送ったら? 少子化対策、子育て支援に逆行します」(東京新聞08年2月11日付け、『応答室だより』)
産経新聞の08年2月26日付けの大阪版には東京在住の女性会社員(33)の意見が掲載された。
「2、3歳の子供は歩くより、自転車に乗せたほうが、まだ安全。(政府は)少子化で子供をつくれ、つくれというけど、子供が2人以上になったら、自転車にも乗れないなんて…」