「日本の自動車や娯楽業界に興味がある」
また、中東の政府系ファンドの一角とされ、07年秋はソニーに出資したことで注目を集めたドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)のアナンド・クリシュナン最高執行責任者(COO)も同時期に来日した。クリシュナン氏は報道機関の取材にも応じ、「日本の自動車やエンターテイメント(娯楽)業界に興味がある」と述べ、日本に積極的な投資をしたいとの考えを示した。
クリシュナン氏らの発言が一部マスコミで伝わると、個人投資家も含めて日本株の買いが進み、日経平均株価が上昇する局面もあった。日本市場の売買の約7割を担うのが外国人投資家であるという現実の中、政府系ファンドが日本に関心を強めていることへの期待は高い。「政府系ファンドの動きは大きな刺激だ」(市場関係者)との声は高まっている。
ただ、政府系ファンドの一部には投資方針が不透明で、安全保障上の懸念が残るケースがあるのも事実。十分監視の目を向けることも必要になるだろう。