「投入に追い込まれた時の奴らの顔が見ものだ」
かくして、日本の「公的資金投入の薦め」は国際金融マフィアの間で一向に広がっていない。日本の金融当局者は、かつて不良債権問題で欧米やIMF(国際通貨基金)から破綻銀行の閉鎖や大規模な公的資金投入をしきりに催促された屈辱的な経験を持つ。それだけに今度ばかりは見返してやろうと「欧米もサブプライム問題がさらに広がってくれば、公的資金投入に踏み出さざるを得なくなるはずだ。その時の奴らの顔が見ものだ」(日銀幹部)という声もあるが、どうなるか。ただ、欧米が公的資金を投入せざるを得ないほど事態が一段と深刻化すれば、日本経済は大きな打撃を受けるのは必至だけに、「他人の不幸は蜜の味」というわけにはいきそうにない。