北海道旭川市内のスキー場で、ゴンドラ内から、鯨とみられる絵が描かれ「TABENAIDE」(食べないで)のローマ字が添えられるなどの落書きが多数見つかったことが分かった。内容などから、日本の調査捕鯨に反対する外国人が書いた可能性がある。最近オーストラリアなど海外から観光客が増えているだけに、関係者から戸惑いの声が上がっている。
スキー場で103台中に62台にも
落書き問題の記事を載せた北海道新聞のサイト
落書きが見つかったのは、旭川市内の民間スキー場「カムイスキーリンクス」。スキー場支配人がJ-CASTニュースに語ったところによると、ある落書きは、ゴンドラの黄色い壁などの部分に、黒や緑色のマジックで10センチぐらいの大きさに書かれていた。波の上に浮いた鯨とみられる漫画風の絵が描かれ、鯨が「TABENAIDE」と訴えている構図になっている。落書きは、103台ある4人乗りのゴンドラのうち、実に半数以上の62台にも書かれていた。第一報は、北海道新聞が2008年2月22日付の記事で報じた。
これだけ大量の落書きを、誰がどのように書いたのか。
支配人によると、08年1月末を中心に落書きが見つかった。みな同じではないが、似たような落書きだという。60以上もの落書きを1人で書くとすればかなりの労力がかかるとみられ、同一人物の仕業かどうかについて、支配人も「どうですかね」と首をひねった。日本人の可能性もゼロではないが、内容などから海外からのスキーヤーらが書いた可能性があるという。
北海道では最近、海外からの観光客が急増している。06年度の外国人来訪者は、10年前の5倍の約60万人。特に、世界最高レベルの雪質で知られるニセコのスキー場などはオーストラリアで大人気となり、欧米からの訪問者合計とほぼ同じ2万人以上が北海道を訪れた。
そして、旭川のスキー場にも、毎月40~50人、シーズン2~3%の外国人がコンスタントに訪れるようになったという。ここ数か月、日豪間などで捕鯨の是非が論議になっているが、支配人は、「トラブルはなく、仲良くやっています」。取材に対しては、「おおげさに考えてはいません。騒いでほしくないですね」と戸惑いをみせた。
落書きは、器物損壊罪に当たる可能性があるが、警察に告訴はしないという。ゴンドラ内にシンナーの匂いが残るため、3月下旬の営業終了後に消すとしている。