メキシコで「亀田ジム」旗揚げ? 協栄ジムとの軋轢で疑い深まる

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   ボクシングの亀田家と協栄ジムが離反の危機を迎えている。協栄ジムの金平桂一郎会長(42)が、亀田兄弟が勝手なことをしているとして、復帰戦の中止や解雇までほのめかしているからだ。亀田家側も独自の動きを見せており、TBSと組んで独立するのではとの憶測すら出ている。

ジムが亀田兄弟の解雇など示唆

亀田兄弟の公式サイト
亀田兄弟の公式サイト

   亀田3兄弟のうち二男の大毅選手(19)は、反則行為で1年間のボクサーライセンス停止になった。しかし、新聞各紙によると、東京都内で1月27日に追突による物損事故を起こし、2月12日には報道陣に「車っちゅうのはぶつけるもんや」などと発言。これが、18日に開かれた東日本ボクシング協会の理事会で、「不謹慎だ」などと問題にされた。出席した協栄ジムの金平会長は、注意を受けて謝罪したが、報道陣に対し、「知らないことをやり過ぎ」と不満を露わにした。そして、大毅選手の解雇の可能性まで示唆したのだ。

   一方、長男の興毅選手(21)に対しても、金平会長は不満をぶつけた。興毅選手は、反則問題で3か月の試合自粛処分を受け、3月22日に千葉・幕張でノンタイトルの復帰戦が予定されている。しかし、各紙によると、前出の理事会は、2人が反則問題で協栄ジムの監督下に置かれるはずなのに、ジムにあまり姿を見せていないことを問題視。また、興毅選手らが、ジムに相談なく、メキシコでマンションを借りて練習拠点にしていると批判した。これに対し、金平会長は2月19日、亀田家との話し合いができていないとして、報道陣に対し、興毅選手の復帰戦の中止すらほのめかした。

   協栄ジムの広報担当者は20日、J-CASTニュースの取材に対し、これらの動きを認めたうえで、現状をこう話した。

「大毅の解雇については、まだ分かりません。すべての可能性を否定しないということです。興毅の復帰戦については、中止の方向では動いていませんが、興毅の最近の動きが把握できていないということはあります。亀田家との交渉は、まだ実現の話を聞いていません」

史郎氏がメキシコに「亀田ジム」設立との報道も

   この広報担当者によると、大毅選手は、08年に入ってから、ジムで数回練習したぐらいだという。復帰戦を控えた興毅選手については、来たか確認が取れていない日があり、最近はほとんど姿を見せていないと明かした。

   では、2人は一体何をしているのか。

   大毅選手についてははっきりせず、興毅選手や2人の事務所の亀田プロモーションを通じてしかコンタクトを取れないという。金平会長も、報道陣に「試合ができない状況で、ジムに来いというのは難しい」と苦悩を打ち明けた。

   一方、興毅選手は、1月末から2月13日まで、復帰戦へ向けた調整のためメキシコに滞在していた。メキシコ人選手とスパーリングなどの練習をしていたというが、協栄ジムに無断で、メキシコ市内に5LDKの高級マンションを借りていた。現地で修行している三男の和毅選手(16)が現在、ここに暮らしているという。さらに、興毅選手は、帰国後の16日に、事務所が知らないうちに米国ラスベガスで世界戦を観戦していた。

   こうした独自活動について、亀田家が独立を狙っているのではと推測する報道が出始めた。産経新聞は、2月19日付記事で、格闘技ジャーナリストの片岡亮氏の話として、反則問題でセコンドライセンスの無期限停止となった父親の史郎氏(42)が、将来的に兄弟の指導が禁じられた日本を離れる可能性を指摘。片岡氏は、「活動を海外中心で行うことを検討し、準備しているようにみえる」とした。

   史郎氏がメキシコに「亀田ジム」を設立し、セコンドに復帰するのでは、と推測する一部報道もあった。史郎氏は最近、雑誌のインタビューで、大毅選手を処分した日本ボクシングコミッションに対し「おれは腹立つねん」と不満を述べ、パフォーマンス肯定の発言をしている。

   さらに、この動きの裏にはTBSの後押しがあるのではとの憶測も出ている。協栄ジムが07年、TBSが亀田兄弟の独立を促したなどとして弁護士を通して抗議していた経緯もあるからだ。TBS広報部は、独立を促したことは「事実ではありません」としており、メキシコでの動きやTBSとの関係についても、「聞いておりません」とコメントしている。

   亀田プロモーションでは、「メキシコのマンションは、活動拠点ではありません。和毅が向こうで試合が多く、(ホテルでは)お金がかかるので借りたまでです。亀田ジムの設立などといった話はありませんし、TBSとの話し合いもありません」と話している。

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