不祥事が続くNHKだが、今度は番組技術展の現場で、職員の私物PCに「わいせつ映像」が表示されてしまった。問題が発覚するきっかけは、来場者が「放映現場」の動画を撮影し、動画投稿サイトで公開したこと。動画には、来場者から映像について指摘され、PCの持ち主とは別の職員が「これは何だろうなー。分かんない」などとうろたえる様子が映し出されている。
「ユーチューブ」にアップされ、「ニコニコ動画」にも転載
問題のPCは、展示会場の机の上に置かれていた
「珍事」が発生したのは、2008年2月11日の午後。東京・渋谷にあるNHK放送センターの正面玄関で開かれていた「第37回番組技術展」の会場で、展示コーナーの机の上に置いてあったノートPCに入っていたDVDが再生され、わいせつ映像が約1~2分流れた。NHKは2月18日になってこの問題を発表し、PCの持ち主である放送技術局 チーフ・エンジニアの男性職員(55)を同日付で5日間の出勤停止処分にした。
異例なのが、この問題が発覚した経緯だ。NHK広報局広報部の説明によると、
「14日に、現場の様子を映した動画がインターネットに投稿されていることを把握した」
のだという。どのサイトに投稿されたのかについては、
「複数に投稿されている可能性もあり、『誰が、いつ、どこに投稿されたか』をNHKとして特定することはできない」
として明らかにしていないが、J-CASTニュースで調べた限りでは、この動画は13日夜に「ユーチューブ」にアップロードされ、14日には「ニコニコ動画」にも転載されている(当初アップロードされた動画は、遅くとも19日早朝の段階では「規約違反」として削除されている)。
動画の長さは約2分で、来場者と見られる人物が、展示会場の様子を収めている。前半1分間では、展示ブースに大型テレビが設置されていることや、テーブルの上に小型ビデオカメラやノートPCが置いてある様子が確認できる。PCの画面には、上半身が裸に見える女性の姿が映っている。
「これは何だろうなー。分かんない」とシドロモドロ
ただ、女性の顔にはモザイクがかけられていた。そこで撮影者が、隣のブースで説明していた別の職員に、
「すみません、ここに流れているのは何ですか?」
と声をかけた直後から、職員が焦る様子が映し出されている。
画面の異変に気づいた職員は
「これはー。…なんだろうな。これは何か別のアレですね」
と話しながら、約10秒間にわたって動画の再生を止めようと試みるも、再生は止まらず、
「これは何だろうなー。分かんない。編集用の何かだと思いますよ。DVD…」
と、支離滅裂な言い訳を強いられるところで動画は終わっている。
撮影者から声をかけられた職員にとっては、思わぬ災難だったが、そもそも、何故わいせつDVDは再生されてしまったのか。NHKでは、
「動画が再生された時には、PCの持ち主はその場におらず、本人も『何故再生されたのか分からない』と話しています。ただ、PCが狭い机の上に置かれていたこともあり、ちょっとした拍子にDVDドライブのフタが閉まって、自動再生されてしまったのではないか、と推測しています」
と話している。実際、動画では、DVDの再生画面を閉じた後、PC上には「自動再生」のダイアログ(操作画面)らしきものが表示されているのが確認できる。NHK側の推測が正しければ、本来ならば便利なはずの機能が、思わぬ災難を招いてしまったことになる。