首都圏では通勤時間帯の電車が2~3分遅れるのは当たり前。なかには毎日のように遅れ、「これが普通だ」とため息混じりに語られる路線もあり、ネット上でも電車の遅延についての不満が噴出している。なぜこんなにひどくなってしまったのか。
1週間で遅延証明書が出なかったのは1日だけ
首都圏では電車の遅れが目立っている
小田急小田原線では、電車の運行がダイヤから5分以上遅れた場合に遅延証明書を発行しているが、2008年2月9日~15日の1週間で遅延証明書が発行されなかったのは、2月10日の日曜日たった1日だけ。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「ミクシィ(mixi)」のなかにある「小田急線」コミュニティでは、
「…最近 毎朝遅れてますよね」
「結果今日も遅刻(+_+)こう毎日だと何やってんだ?と見られます。今年に入ってから遅延証明がほぼ毎日ホームにあります。見る度にため息です…」
と、会社員と思われる人からの悲痛な書き込みが相次いでいる。しかし、遅延が連日のように続くと、
「まぁいつもの事でしょう。想定内」
「今日は遅れませんでした。レアですねwww」
「2分の遅れで書き込んでいたら毎朝書くことになりますね(笑)」
といった諦めにも近いコメントが書き込まれる。
小田急線に限らず、遅延の状況を「ミクシィ」の中で情報交換する人は多い。「田園都市線」コミュニティでは07年4月から600件以上の遅延情報が書き込まれ、「埼京線」コミュニティでも、書き込みが05年9月から500件以上に上った。
遅延の理由が人身事故や災害によるものなら止むを得ない面もあるが、「車両故障」「電気トラブル」「混雑の集中」など、鉄道会社の責任との理由で大幅に遅れるケースも結構多く、「時刻どおりに走れないのならダイヤを変えるべきではないか」といった声も通勤客から上がっている。
お客様が着こんで乗車の際の動きが鈍く??
国土交通省鉄道局によれば、電車の運休、あるいは30分以上の遅延があった件数は、06年度で4421件(JR、私鉄の合計)。そのうち3分の1は、係員のミスや車両・鉄道施設の故障によるものだった。
電車の遅延の理由について各鉄道会社はどのように説明するのだろうか。
東京メトロ広報課はJ-CASTニュースに対し、
「一概に遅延の要因を言うのは難しい。他社から入線してくる路線が多く、要因を(東京メトロに特定して)切り分けて考えるのが難しい」
と話す。東京メトロでは、最も混雑率の高い東西線のダイヤを改正し、3月15日から増線して対応する。
一方の小田急電鉄広報部はこんな説明をする。
「遅延証明書は特定の時間帯で5分遅れたら速やかに発行するもので、それをもって全体的に遅延していると捉えられては困る」
なかなかわかりづらい理屈ではある。
さらに、
「先般かなり寒さが厳しい日が続き、お客様が着こんで乗車の際の動きが鈍くなったり、体調不良の方が出たり、列車トラブルがあったり、それらに対応するなど、さまざまな理由がある」
と述べている。
この時点では、根本的な解決法についてはほとんどコメントらしきものはなかった。
小田急電鉄広報部はその後、今後の対策について次のようなコメントを寄せている。
「複々線化事業を2013年度までに進める予定で、完成すれば混雑緩和につながると考えています。また、増発もする方針です」