「オバマフィーバー」に沸く小浜市 記事が米ヤフーの検索ランキング2位に

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   米国大統領選で民主党指名候補を目指すバラク・オバマ上院議員(46)の応援を始めた福井県小浜市に、外国メディアから取材が相次いでいる。背景には、オバマ氏が優位な戦いを進めていることがあるとみられ、同市では、「ぜひ大統領になって、市内でも起きた北朝鮮工作員による拉致事件を解決してほしい」などと期待をかける。

外国から取材殺到にうれしい悲鳴

「オバマ候補を勝手に応援する会」が作成した応援イラストの新デザイン
「オバマ候補を勝手に応援する会」が作成した応援イラストの新デザイン

   新聞各紙によると、バラク・オバマ氏は、最初のヤマ場となる2008年2月5日のスーパーチューズデー後に勢いに乗り、12日の予備選まで7連勝。14日になって、対立候補のヒラリー・クリントン上院議員(60)がニューメキシコ州の勝利を確定させたものの、クリントン氏11州に対し、オバマ氏は21州で勝利した。米CNNテレビの推計では、獲得した代議員の数もオバマ氏1253人、クリントン氏1211人となり、その優位は変わっていない。

   そんな中で、オバマ氏応援に名乗りを上げた福井県小浜市に、海外のメディアから取材や問い合わせが相次いでいる。仏AFP通信は、同市を直接取材に訪れ、2月12日付記事で、村上利夫市長が手紙を添えた特産の「若狭塗箸」をオバマ氏に送ったり、観光関係者を中心に「オバマ候補を勝手に応援する会」が結成されたりしている様子を紹介。村上市長が、北朝鮮工作員による拉致事件の解決に期待し、いつか北朝鮮との間に平和条約が結ばれることを願っていると報じた。このAFPの記事は、米ヤフーの検索ランキング2位に入るほど注目を集めた。

   また、英ロイター通信は、2月13日付記事で、小浜市がオバマ氏の力を借りて観光名所にと考え、応援の声が盛り上がっていると伝えた。そして、「応援する会」の藤原清次事務局長が、「大統領になれば、ホワイトハウスを表敬訪問したい」「小浜市で首脳サミットを」と希望を語ったことを紹介した。藤原事務局長によると、ほかに米AP通信、米ABCテレビ、CNN、オーストラリア放送協会、中東アルジャジーラの取材があり、今後もニューヨーク・タイムズ、カナダ放送協会が取材予定だという。

拉致事件解決などの手腕は未知数

   この取材殺到ぶりについて、藤原事務局長は、「オバマさんには、カリスマ性があり、共和党政権が続いてきたから、期待が強い。その表れじゃないでしょうか。また、選挙権がないのになぜ盛り上がっているのかと、興味を持っているのでは」と謙遜する。その一方で、「オバマさんにあやかって、小浜市を観光名所にしたい」と本音を漏らした。

   このフィーバーで、若狭おばま観光協会のホームページは、通常の2、3倍にアクセスが急増。また、一連の記事を見て、藤原事務局長が経営するホテルには2月15日、福井県在住の外国人男性2人が「応援する会」に入会したいと申し込んできたという。今後は、3月2日の地元の祭りに「応援する会」と書いたたいまつを奉納するほか、4日のミニチューズデーでは、仲間で集まってオバマ氏をテレビ前で応援するという。

   ただ、専門家筋では、米民主党政権は、日本よりも中国を重視するのではとの観測がもっぱらだ。この場合、北朝鮮との関係を重視する中国に配慮して、拉致事件への対応が腰砕けになる可能性がある。小浜市でサミットを開いた場合、初の黒人大統領として暗殺の危険が指摘されていることから、身の安全を確保できるか警備が課題になる。また、米民主党は伝統的に保護貿易主義と言われ、オバマ氏が当選しても対日政策が厳しくなるとも言われている。

   もっとも、オバマ氏の政策は、まだ抽象的表現が多く、具体的な対日政策までは報じられていない。藤原事務局長は、「いろいろ懸念はあるかもしれませんが、まだそこまで考えていません。私どもは、今はオバマさんを応援するだけです」と話している。

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