ホンダは2008年秋に発売する燃料電池車を先導車に使用?
車両提供のメーン企業がホンダに切り替わったことをみて、トヨタは大会の運営協力会社となった。ホンダの国内販売車種にトラックが無かったこともあり、トヨタはカメラマンが乗るハイブリッド車などの車両提供を行ってきた。さらにトヨタの子会社が運営する東京・池袋の大型展示場であるアムラックス東京で、箱根駅伝の写真展を開催して関東学生陸上競技連盟との関係強化を進めてきた。
2009年大会以降のメーン車両の提供は、三菱自動車が断念する見通しであったことやトヨタの動きの活発化などにより、トヨタがメーン車両の提供契約を結ぶとの予測が高まっていた。そうした中で、ホンダは契約延長に向けて活発に動いていた。2009~2013年大会の車両提供企業の募集は2008年10月頃と思われていたが、2008年大会が開催される前の2007年12月に2009年大会以降の契約を結んだのだ。
ホンダの契約更新はトヨタにとっては寝耳に水の話。視聴率が高く、環境性能の高い車を訴えるには格好の場である箱根駅伝で、トヨタはメーン車両にハイブリッド車を揃えてトヨタ車の環境性能をPRするつもりだった。その夢は2014年大会以降へと持ち越された。
トヨタをライバル視するホンダの関係者たちの喜びようはものすごい。ホンダは2009年大会で、2008年秋に発売する燃料電池車「FCXクラリティ」を先導車に使用することを考えている。FCXクラリティのテレビでの露出を増やし、ホンダの環境イメージを高める狙い。ハイブリッド車の販売でトヨタに敗れたホンダだが、ハイブリッド車の先にある燃料電池車を強力にアピールする場は、引き続き確保したわけだ。