「あまりにも反響が大きく、記事を削除させていただきました」
では、このホテルが主張していたように、本当に「取材まではサルがいなかったが、マスコミがサルを連れてきた」ということはあるのか。近くのホテルに話を聞いてみると、
「今年は、猿害は、まだ出てないですね。出現するサルの数も、何故か分かりませんが例年よりも少な目です。ただ、ここ1週間ぐらいで、出てきているなぁ、という気はします。ホテルとしては、実際の猿害は起きなくても、(サルを)見かけたら追い払わざるを得ないですよね」
とのことで、テレビ取材との因果関係は不明ながらも「サルの出現はここ1週間で増えている」との答えだった。一方、行政サイドから猿害に取り組んでいる山ノ内町の観光農林課では、
「猿害被害の連絡があれば、追い払うなどの対応をしますが、今年はまだ連絡は来ていません。サルの出現自体も、例年より少なめなのではないでしょうか」
とのことで、番組で強調されていたような緊迫感は伝わってこなかった。
ホテルの「告発先」と見られる「環境省志賀高原自然保護官事務所」でも、
「被害状況がタイムリーに伝わってくる訳ではない」
とした上で、告発の有無については
「担当者が出張中なので、すぐには分からない」
としている。
なお、テレビクルーの「ヤラセ説」を唱えたホテルのブログの記事は、不可解なことに、遅くとも2月13日朝の段階では削除されており、同日掲載された別の記事で、
「あまりにも反響が大きく、記事を削除させていただきました。猿の被害は事実です。がココまで問題が大きくなると私個人では対処できません」
と釈明している。J-CASTニュースでは、削除の経緯についてさらに話を聞くべく、ホテルへの取材を試みた。電話で
「J-CASTというインターネットのニュースを配信している会社で記者をしている者ですが…」
と切り出すと、記者が「ブログ」「猿」「テレビ朝日」といったキーワードを口にする前に、ホテル側は
「その件については取材をお受けしておりませんので」
と言い放ち、一方的に電話を切った。