三木会長は福田内閣の新成長戦略の取りまとめ役狙う
実際、三菱UFJFGの業績は中核の銀行の経営不振で低迷。傘下のカード会社、三菱UFJニコスの処理や日銀の利上げ時期を見誤る「大チョンボ」で、07年11月には、2008年3月期のFG連結ベースの最終利益を従来の8000億円から6000億円に大幅に下方修正した。しかも、この6000億円という数字も、今後、他のメガバンクグループに比べて遅れている、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の損失処理の上積みを迫られれば、再度、1000億円規模で下方修正が迫られるのは必至とみられている。
そんな状況もあり、三木会長は畔柳氏の銀行頭取更迭を決断したと見られる。一方、注目される三木氏の去就は、3月19日に任期切れする福井俊彦日銀総裁の後任には本命の武藤敏郎副総裁(元財務省事務次官)が就任する可能性が高まり、思惑外れに終わりそうな情勢だ。それでも、福田内閣の新成長戦略の取りまとめ役の方は、三木氏が福田氏と名門・麻布高校同級生で懇意なこともあり「当確ではないか」(霞が関筋)とされ、三菱UFJの業績低迷とは裏腹に、三木氏の鼻息は荒いようだ。