生き残るには「とにかく一番先に借りてもらう」こと
貸出金利の上限が下がっているので、消費者金融業者は貸出原資となる調達資金のコストをいかに抑えるか、が「勝負」となる。
もっとも、大手消費者金融も「銀行」次第だ。たとえば、武富士の07年9月期の資金調達をみると、76.7%(4275億円)を銀行などからの借り入れでまかなっている。なかでも、外国銀行等からのウエートが高く、1018億円と借り入れ全体の18.3%を占めている。調達金利の平均では2.84%と、大手では最も高い。
07年秋に一部で経営危機説が報じられたアイフルは銀行借り入れのウエートが48.0%(4905億円)と、社債等による直接調達とほぼ半々。借り入れの多くを信託銀行が支えている。調達金利の平均は1.86%だ。
三井住友銀行グループのプロミスは68.8%(9051億円)が銀行借り入れによるが、調達金利の平均は1.68%と大手の中では最も低い。三菱UFJグループのアコムは65.4%(5366億円)が銀行借り入れ。調達金利の平均は07年9月期が1.93%だが、08年3月期は2%台に乗るとみている。
いずれにしても、どの消費者金融大手も資金調達コストを下げないことには、利ザヤは稼げない。にもかかわらず、クレジットカードや信販会社、銀行をも含む「消費者ローン」の世界はいま、利用者の確保を狙いに「一番に借りてもらう」ことをめざして、貸出金利の引き下げ競争に突入している。オリックス・クレジットの年5.5%の「カードレスVIP」や、クレディセゾンの変動金利型カードローン(300万円コース、年6.87%)の導入がその例だ。こんな状況だから、大手消費者金融 でも3社しか生き残れない、という説は現実味を帯びてくる。