英国の高級紙「タイムズ」が日本の雅子さまバッシング報道を記事にしたところ、記事サイトのコメント欄に、日本人とみられる読者から雅子さまへの厳しい意見が相次いでいる。どうやら雅子さまが日本の古い文化の中で押しつぶされてしまったという論調に対し、日本人として物申したいということらしい。
「雅子さまの行状はヨーロッパ王室ではささいなことだ」
雅子さまについての記事を載せた英タイムズ紙のサイト
タイムズの2008年2月5日付記事「日本の報道界、皇太子妃雅子さまと敵対」は、同紙のサイトにもアップされている。雅子さまを巡っては、日本の週刊誌を中心に、病気を理由に公務を休みながら、高級レストランでの食事、乗馬、ショッピングなどプライベートは楽しんでいるというバッシングが07年から続いている。そして、病気が回復の兆しにあるのではないか、との報道が最近多い。
これに対し、タイムズ紙は、「国民の目を意識した質素な生活水準の日本の皇室の中で、雅子さまはぜいたくをし過ぎたようだ」と、日本の週刊誌がバッシングをしている背景を紹介。そして、「雅子さまの行状はヨーロッパ王室では一般的に言ってささいなことだ」として、日本の皇室だからこそ雅子さまは目立ってしまったとの見方を示した。また、雅子さまが米ハーバート大学で学びながら「拘束着をまとった皇室の生活」で精神的に押しつぶされ、外国人から見て「朽ち果てた蝶」のようになってしまった、と述べた。
さらに、雅子さまの病気についても言及した。「我慢や忍耐の精神を大事にするこの国では、彼女が患っている詳細不明の精神疾患は、単に彼女がひ弱なために克服できない障害に過ぎないと見られがちだ」と主張。週刊誌などは長年、雅子さま批判を控えてきたが、病気を十分理解せずに、最近の回復の兆しは「仮病」ととったりしていると、批判的に書いた。
総じて、雅子さまに同情的な論調だ。雅子さまは、ハーバード出の「蝶」でありながら、古い日本人の意識、皇室の伝統の中で「朽ち果ててしまった」、というわけだ。
雅子さま問題は、ほかにいくつかの外国メディアが取り上げている。その記事は、雅子さま自身に問題というより、日本社会の問題が反映という論調が多い。例えば、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に載った米AP通信の2月4日付記事では、雅子さまの「ぜいたく」バッシングは、日本経済が低迷しており、格差社会に入っているからこそとの見方を示している。