中韓に対抗するには2~3グループへの集約が必要
今後の業界再編については、「造船事業は設備が特殊で廃棄・転用が難しく、再編のスピードは緩やかにとどまる」(アナリスト)との見方もある。IHIと川崎重工業は2001年に造船事業の統合交渉に入ったが、調整がつかずに白紙撤回したこともある。
さらに、今回の交渉はJFEとIHIの経営事情も絡んでいたとみられている。IHIはプラント事業での大幅損失が発覚し、不安定な造船事業の再構築に迫られていた。JFEも鉄鋼業界の再編が進む中、経営の多角化で造船を収益の柱に育てる必要があった。
だが、JFEとIHIの統合が実現しても、新会社の売上高は3400億円程度で現代重工業には遠く及ばない。市場には「中韓に対抗するには2~3グループへの集約が必要」と再編加速を促す声もある。JFEとIHIの交渉を機に再編が本格化するかどうかは、三菱重工業や三井造船といった他の大手の出方が焦点となりそうだ。