農薬検査「今後はやっていくべき問題」
ところで、輸入した加工食品に、農薬検査は不要なのだろうか。
厚生労働省の輸入食品安全対策室によると、食品衛生法上、輸入農作物について残留農薬を検査する規格基準のルールがある。しかし、加工食品については、そうした規格基準はないという。原材料の作物にさかのぼって、その作物が規格基準を満たし安全ならいいというルールはある。
厚労省の各検疫所でも、細菌数や大腸菌群、添加物の抜き打ち検査はあるものの、農薬検査は実施していない。とはいえ、同室の担当者は、「安全確認は、輸入業者の責務です。原材料の製造段階での取り扱いを確認したり、自主的に検査したりすることに努める必要があります」と話している。
こうした点について、JT広報部の担当者は、「加工食品の農薬検査をすべきであったかどうかを申し上げるのは、とてもつらいところです。今回、お客様や取り引き先に心配をおかけしたことを、お詫び申し上げたいと思います」と苦しい回答をした。
JTでは、輸入した加工食品については、受け入れときや出荷先で、毎回、細菌などのサンプル調査をしているという。加工食品の農薬検査については、「これまでしていませんでしたが、今後はやっていくべき問題だと考えています」と前向きの姿勢を示した。
Q&Aサイトで削除した一文については、書き換えた新しい文での再掲載を検討しており、検査方法などの対策が決まった時点でアップするという。「消費者の皆様に心配、不安を与えていますので、今は製品の自主回収、原因究明を第一に考えています。その後、安全、品質管理の体制が確立できれば、それぞれの製品の加工度合いをもとに、分かりやすく丁寧な表現に直す予定です」としている。