金やプラチナの価格上昇がとまらない。2008年1月29日に金は「ここ数年の最高値」、プラチナは28年ぶりの高値を記録した。31日の金の小売り価格は1グラムあたり3336円、プラチナの小売り価格は同6129円だった(田中貴金属工業調べ)が、価格の上昇で利益を確定しようと、金やプラチナを持ち込むお客で、店頭のにぎわいは相変わらず続いているという。
投機資金が利益確定に動いた
プラチナの高騰はどこまで続くのか
近年の最高値だった1月29日は、金が3370円、プラチナが6345円だった。 年初(1月7日)に3185円をつけた金の小売り価格は、月半ばには3329円まで上昇したものの、1月16~22日にかけて230円ほど下落した。一時急速に下がったのは、「欧州中央銀行でも利下げを行うかのような発言があったため。ユーロの利下げ懸念で投機資金が利益の確定に動いた」(貴金属商)とみられる。金は年初からやや高いと思われていたこともあって、スポットで売られたこともある。
しかし、米国連邦準備制度理事会(FRB)による0.75%の緊急利下げをきっかけに、1月23日には1日で145円も急上昇。年初の水準に戻し、その後の1週間で100円近く上昇した。もう一段の利下げ観測もあって、金価格の高騰はしばらく続きそうだ。
プラチナ高騰、南アで生産が一部停止
プラチナ価格は1月29日に6345円をつけた。28年ぶりの高値だが、「1980年ごろは円安だったですからね。ドル建てベースでは史上最高値です」(前出の貴金属商)という。
プラチナ価格は、金よりも高騰する気配がある。プラチナの供給量で世界の70%超を占める南アフリカで1月25日、洪水の発生によって鉱山生産が一時ストップしてしまったからだ。南アでの金の供給量は10%ほどだから、むしろ限定的。1月25日のプラチナ価格は194円上昇して5918円、その翌営業日の28日には205円上昇して6123円。そして29日にはさらに222円も急上昇した。
貴金属商は、「鉱山生産が止まった日には、瞬間的に80~90ドルも上昇。中期的にみれば金も上昇基調にありますが、需給面からいえばプラチナのほうが上昇するのではないでしょうか」と話している。