日本で使用する風車の75%以上が外国製
さらに、「溶接不良」が原因で事故が起こった例もある。三重県伊賀市に設置された風力発電機では07年12月、鉄塔最上部から、風車部分(重さ1.9トン)が落下。落下の原因は、風車を支える部品と鉄塔をつなぐ部分が溶接不足で破断したと見られている。
トラブルの多発を受けて、NEDOが全国926基を対象に行った調査では、06年4月から07年2月の11ヶ月間で、3日以上停止した故障・事故は77件におよんだ。全体の8.3%が、何らかのトラブルを経験している計算だ。内訳は落雷が14件で、原因不明が33件。
これらの事故の原因を「気候の違い」に求める声もある。風車の製造は欧米メーカーが先行しており、日本で使用されている風車の75%以上が外国製だ。ところが、欧州の日本の気候の違いがトラブルの原因になっている、という声もあるのだ。例えば、欧州では年中安定した風が吹くのに対して、
日本にはひんぱんに台風が襲来し、「欧州仕様」では対応できない、といった具合だ。これを受けて、NEDOでも05年度から07年度にかけて、自然現象による事故を減らすための対策をまとめた「日本型風力発電ガイドライン」の策定を進めている。
これが奏功しているのかどうかは不明だが、先の調査結果によると、トラブルが発生する確率は年々減少を続けている。