「トヨタ販売台数世界一」速報 NHKフライングしてしまった理由

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   NHKが2008年1月23日午後11時前に、「トヨタ2007年販売台数、米GMを抜き世界一に」というニュース速報をテロップで流した。しかし、約1時間後の翌0時10分のニュースでは、「トヨタがGMと販売台数で肩を並べた」というなんとも微妙なタイトルが出て、アナウンサーが「正確には世界一になっていませんでした」と訂正した。NHKが誤報した背景は何なのか。

   車の販売台数世界トップのゼネラルモーターズ(GM)が、07年の販売台数を発表したのは現地時間08年1月23日午前9時。日本では同日午後11時頃である。販売台数は936万9524台。これに先立って、GM越えが噂されていたトヨタは、08年1月10日に速報で同937万台と発表していた。単純に数字を見る限りでは、トヨタがGMを追い抜いたことになる。

   NHK広報はJ-CASTニュースの取材に対し、

「いったんテロップで流したあとに、違う、ということでしたので後のニュースで説明しました。トヨタさんが発表した数字は千台単位を四捨五入したものだそうです」

と話した。

「思い込み」がミスを生む?

NHKの誤報の原因は何?
NHKの誤報の原因は何?

   トヨタ広報によれば、GMが販売台数発表後にマスコミ各社から取材が殺到。GMが1台単位まで販売台数を公表したことから、トヨタも詳しい台数を発表して欲しい、という申し入れだったという。それで、トヨタは07年に全世界で販売したのは約936万6千台、と回答する。GMに3千台ほど及ばないという結果だった。最初の数字は、毎回、万単位で発表することにしていたせい、だそうだ。

   車の販売台数は、トヨタが07年にGMを追い抜くのは確実なのではないか、といわれていた。読売新聞07年09月5日付けの夕刊でも、

「トヨタは07年の販売台数でもGMを上回ることが確実視されており、生産、販売の両面で世界最大の自動車メーカーとなる」

とニューヨーク外電で報じていた。NHKの誤報は、トヨタが販売台数で世界トップのはずという「思い込み」があって、トヨタに事実確認することなく速報を流した、というのが原因のようだ。

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