コストアップで赤字になる新聞社も
新聞社が1日に使用する新聞用紙は、読売新聞で約2300トン、朝日新聞で約1800トンになる。これだけの紙を必要とするのだから、新聞社にとって紙の値上げは大きな痛手だ。「新聞離れ」がいわれて久しいが、どの新聞社も購読部数は減少傾向にあって、紙の値上げを新聞代に転嫁できないつらさがある。
だからといって、値上げ交渉に応じないと紙が調達できなくなるので、受け入れないわけにはいかない。年間数十億円のコストアップで赤字に転落する大手新聞社も出てきかねない。
出版業界も紙の値上げはもっと深刻。長引く出版不況のなかで、出版点数を増やし続ける「自転車操業」で遣り繰りしてきた出版社だが、紙の値上げでそれすらもできなくなってくる。