資産運用会社の日興アセットマネジメント(日興AM)は2008年1月17日、資産運用の「腕自慢」たちがインターネット上で投資信託のパフォーマンス(運用成績)を競うシミュレーション・ゲーム「投信王」を始めると発表した。年間最優秀者には、日興AMのファンドマネージャーとして実際に活躍する道が拓けるという。この日の記者会見で、タレントの眞鍋かをりさんが若手個人投資家の代表として登場、「投信王」への参加を呼びかけた。
本物のファンドマネージャーとガチンコ勝負も
凄腕ファンドマネージャーの誕生なるか。「投信王」をPRする眞鍋かをりさん
「投信王」は、ファンドマネージャーを発掘するための「オープン・コンペ」的な存在だ。年間最優秀者には、日興AMでのファンドマネージャーとして活躍する道が拓ける。投資の経験によらず誰でも参加でき、手持ちの資金10億円と仮定し、東京証券取引所第1部に上場する日本株式を自由に売買。個別の株式銘柄の売買には0.25%(片道)のコストがかかるなど、実際の投信と同様の条件で競う。1月18日から、参加者の仮登録を開始。3月3日からのトライアルを経て、4月1日が本番になる。参加者は「習うより慣れろ」のやり方で、資産運用のノウハウが得られ、基準価格の算出方法など投信の仕組みもわかる。
「投信王」には日興AMの凄腕ファンドマネージャー、椋田浩章氏も参加。椋田氏が運用する「キャピタル・オープン」の運用成績を上回れば、「優秀賞」となる。1年間を通じて日興AMのファンドのパフォーマンスを上回り、かつ上位5人に残った人は「年間投信王」となる。それだけの実力の持ち主なのだから、日興AMとしても放っておけないというわけだ。
眞鍋かをりは出身地の企業を仮想ポートフォリオに組み込む
「日本株式を資産運用のポートフォリオのひとつに」と訴えるビル・ワイルダー社長
記者会見で、若手個人投資家の代表として登場したタレントの眞鍋かをりさんは、「実際の投資だと試しがきかないので、違う投資スタイルを試すのにはいいかも。画面も見やすく、わかりやすい」と感想を漏らし、仮想ポートフォリオに組み込んだ出身地の企業には「地元なので愛着があるし、(株式に投資することで)見方も変わってきます」という。
この企画は、低迷する日本株式を見直していく「+Nippon.」キャンペーンの一環。日本株式をポートフォリオに組み入れない投資家が増えるなかで、「国際分散投資を考えるうえでも、いまこそ日本株に注目し、投資すべき」(ビル・ワイルダー社長)という考えを前面に出していく。同社は「配当利回りの向上など企業の株主重視の姿勢の強まりや、PER(株価収益率)などの指標からも、日本株には割安感がある」と、日本株の魅力を説いていた。