「JANJAN」「オーマイニュース」などの「市民メディア」が多く立ち上がる中、今度は「弁護士が自分で記事を書く市民メディア」が発足した。普段、マスメディアが報じない情報を積極的に発信していきたい考えだ。
オープンしたのは「News for the People in Japan(NPJ)」と呼ばれるサイト。08年1月17日、同サイトを運営する「ピープルズプレス (PEOPLE’S PRESS)」が都内で設立集会を開いた。
代表の梓澤和幸(あずさわ・かずゆき)弁護士が
「生活者の目で、弁護士と市民の立場から情報を伝えていきたい」
とあいさつ。
「書き手には『私』にこだわってほしい」と吉岡忍氏
吉岡忍氏が記念講演を行った
作家の吉岡忍氏が記念講演を行い、既存のマスメディアについて
「『この出来事について知りたい!』という動きがマスメディアから大きく減少しているのではないか」
「(書き手が)『自分に問いを返す』という視点がない」
などと危機感を表明する一方で、「新メディア」に対しては
「多様であることが民主主義の根幹。書き手には『私』にこだわってほしい」
とエールを送った。
最後に参加者で企画案を出し合い、「市民メディアで何ができるか」について話し合った。
サイトはすでに07年11月にオープンし、「平和・戦争責任」「労働」「消費者」といった12のテーマ別に、事件の担当弁護士が裁判の背景を紹介する「訴訟日誌」や、伊豆諸島・小笠原諸島での弁護士活動をつづる「島弁日記」などが定期的に更新されている。既存メディアの仕組みを読み解く「メディアリテラシー」にも取り組む。