松下は手薄だった液晶テレビも強化
松下はこれまで大画面を得意としてきたプラズマテレビを軸に販売を拡大してきたが、手薄だった液晶テレビも強化する。大坪文雄社長は「液晶の大型化が予想を超える速さで進行している」と説明。さらに、有機ELテレビの生産も視野に入れる考えを示した。キヤノンはデジタルカメラ向けなどの中小型液晶パネルや有機ELの強化につなげる。
一方、日立は07年9月中間決算で薄型テレビ事業が500億円近い営業赤字を計上し、自前でパネル生産子会社を維持することに負担感が強まっていた。古川一夫社長は「安定的な高収益構造を確立するため、経営資源の最適な配分を図る」と事業の「選択と集中」を進める姿勢を強調した。
薄型テレビの国内メーカー3強のうち、シャープと松下が提携に動いたが、残るソニーは既に韓国・サムスン電子と液晶パネルの共同生産に踏み切っている。ただ、ソニーの中鉢良治社長は報道機関のインタビューに対し、サムスン以外にも提携拡大を探る意向を示した。また、世界で初めて発売した有機ELテレビも大型化・量産化に取り組み、リードを維持する構えだ。