「あまりヒステリックに議論しないほうがいい」
JFAは07年11月30日の中央環境審議会と産業構造審議会の合同会合で、コンビニが深夜営業をやめた場合のCO2排出量について報告した。報告では、深夜営業をやめても冷蔵庫や冷凍庫は動かさねばならず、照明と空調でCO2排出量を4.66%削減できるものの、深夜時間帯を利用していた商品配送を昼間に集中させると、トラック台数が増え交通渋滞になり、納品時間も増加する。物流部門でCO2排出量が0・9%増えると推計した。さらに、24時間営業をやめた場合、売り上げが2割程度落ち、雇用も減るためメリットはない、というのだ。
コンビニが深夜営業をやめられない理由は他にもある。ローソンは3年前に24時間営業の見直しを考えたことがあった。人口の少ない地域の店舗や、オーナー店長の労働に頼らざるをえない店舗に関しては、深夜営業をやめたらどうか、という検討だった。ローソン広報はJ-CASTニュースの取材に対し、
「検討は引き続き行っていますが、コンビニは24時間開いているのが一般的。仮に当社の店舗が深夜営業をやめたとしても、利用者は隣のコンビニに行きますし、そうなると便利なイメージが薄れ、売り上げが下がり、店舗は立ち行かなくなります」
と打ち明けた。
流通業界に詳しい三菱総合研究所の高橋衛主任研究員は、今回のアンケートや、コンビニの深夜営業廃止について、
「あまりヒステリックに議論しないほうがいい」
とJ-CASTニュースに語った。深夜営業をやめたとしてもCO2の削減効果はどれほどかわからないし、
「大都市以外では深夜に利用する人は限られていて、その数は少なく、アンケートを取れば『いらない』と答える人が多いのは予想できます。ただし、遅くまで働いたサラリーマンや、学生さんにとって、まさに『開いててよかった』存在なわけで、そういう人達のニーズは非常に高いのです」
ということだった。