福島県の農業生産法人グリーンサービスは2008年4月にも、配当金の代わりに年1回自社で生産した「新米」を届ける「お米社債」を発行する。発行する社債は1口20万円の私募債券で、期間は3年。出資者は毎秋に、同社が生産した会津産コシヒカリの新米10キロを受け取ることができる。いわばお金に代わる「現物支給」になるが、これにも問題がないわけではない。
利回りはゼロ%、お米は株主優待のようなもの
「新米」を届ける「社債」も登場(写真はイメージ)
グリーンサービスの新國文英社長は「お米社債」について、「利回りゼロ%の社債で、配当のお米は、いわば株主優待のようなものです」と説明する。07年10月に試験的に発行した「お米社債」は、新國社長の「口コミ」で友人・知人ら11人が購入した。調達した220万円は肥料代などに充てている。
仮に米の価格を10キロ5000円とすると利回りは4%になるから、現状では一般の社債よりもかなりの「高利回り」といえる。また今後、長期金利が上昇した場合には、「配当のお米を10キロから20キロにしたり、年2回届けるようにしたりするよう検討したい」というのだ。
社債の配当で「現物支給」はめずらしいが、米の収穫高によって「配当」ができなくなる可能性はないのだろうか。J-CASTニュースの取材に、新國社長は「それはありえない」と断言。「会津は豊作と凶作の差がないところで、過去に1993年の冷夏のときもしっかり収穫してきた地域なんです」と、自信満々に話す。