出版業界もはや危険水域 草思社だけでない「倒産予備軍」  

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業界に与える心理的影響は大きい

   最近では自費出版大手の新風舎が08年1月7日、約20億円の負債を抱えて民事再生法の適用を申請したばかり。04年には大手書店の青山ブックセンターが民事再生法の適用を申請するなど、2000年以降は、中小出版社や書店の倒産・経営破たんが目立ってきている。ただ、草思社は中堅出版社でもミリオンセラーを出せる出版社と見られていただけに、経営破たんが出版業界に与える影響も小さくはなさそうだ。

   「まさかと思った」と話すのは出版ニュース社代表の清田義昭氏。同氏は「草思社の民事再生法の適用申請が出版業界に与える心理的影響は大きいと思う。中堅の出版社は今ではどこも厳しいため、この現象が広がる可能性もある」と指摘する。

   しかし、清田氏によれば、「出版不況」は根本的に大きな問題を抱えているようなのだ。

「96年をピークに出版業界の売り上げは縮小し、返品率は40%にまでなっているのにもかかわらず、新刊点数はここ数年増えている。これは、出版事業が『自転車操業』的になっている現われで、出版社は出版活動について足元を見なくてはいけないと思う」

   「自転車操業」とは、業績悪化を受けて新刊点数を増加させ増収を試みるが、売れないために返品が多くなり、さらに業績が悪化して、そしてまた新刊点数を増やすという「負のスパイラル」のことだ。また、ある業界関係者は「自転車操業で出版業界に出口はなく、ダメな業界になってしまった」と話しており、出版業界は深刻な状況に陥っているようだ。

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