健康をテーマにした任天堂のゲームソフト「WiiFit(ウィーフィット)」の販売が、発売から1か月ほどで100万台を超えた。コントローラーをセットにしたゲームソフトは売れにくいというのがゲーム業界の「常識」らしいが、そんなことはお構いなしに破竹の勢いで売れ、一部では「品切れ」の店舗まで出てきているようだ。
「Wiiスポーツ」と比べても勢いがある
「WiiFit」の販売が100万台を突破した
任天堂が2007年12月1日に発売した「WiiFit」の販売数が、08年1月6日の時点で100万台を突破したことが分かった。
「WiiFit」は、「家族の健康」をテーマにした新しいタイプのゲームで、ソフトに同梱されている「バランスWiiボード」という体重計型のコントローラーに乗って遊ぶ。コントローラーにはセンサーが内蔵されており、このセンサーで体重や重心などを感知して測定。綱渡りやヨガといったスポーツを疑似体験できるほか、ユーザーのゲームの成果や体重のデータを蓄積できる。コントローラーが付属しているため、税込みで8800円と、ゲームソフトとしては価格が高めだ。
任天堂広報はJ-CASTニュースに対し、06年12月に発売したソフト「Wiiスポーツ」と比べても「勢いがあるのは間違いない」と話す。
「実際に、一部では売り切れになっている店舗も結構あると聞きます。出荷した分だけ売れているという状況です」(同社広報)
2008年1月9日現在で、家電量販店の通販サイト「ヨドバシドットコム」では入荷が間に合わずに「販売休止」、「ビックカメラ.COM」でも「完売」となっている。
ゲーム雑誌出版のエンターブレインの調査によれば、2007年1年間のゲームソフト推定販売数では「Wiiスポーツ」が191万本でトップ。「WiiFit」も81万8千本で、発売から1か月も満たないにもかかわらず、年間ランキングで16位に食い込んでいる。ちなみに07年12月の月間ランキングで、「WiiFit」は1位になっている。
「今ではWiiと付けば何でも売れる」
「Wii」本体の販売台数は累計で462万台(エンターブレイン調べ)。ゲームソフトの2008年の年間販売で上位に食い込むのはすでに確実だが、「WiiFit」の販売台数がこの数字にどれだけ近づくのか注目されるところだ。
2008年1月9日付けの日経新聞のインタビュー記事では、任天堂の岩田聡社長の
「周辺機器を使ったゲームは売れないという業界の常識もあり、消費者に受け入れられるのか懸念はあった」
というコメントが紹介されている。コントローラーをセットにすると売れにくいのが業界の「定説」ということらしいが、同社広報は「発売から間もないので好調の理由ははっきり分からないが、健康に興味を持っている方に関心を持ってもらえたのでは」と話している。一方で「今ではWiiと付けば何でも売れる状況になってきている」(ゲーム業界関係者)との指摘もあり、「Wiiブーム」はしばらく続きそうだ。