タイゾー君が新潟5区で田中眞紀子と激突!? 次期衆院選で自民党本部がこんな話に興味を示していることが分かった。杉村太蔵衆院議員(28)(比例区南関東ブロック選出)は2007年末、北海道1区で自民党本部への推薦を見送られた。が、果たしてこんな「ウルトラC」に現実味はあるのか。
「面白い」「それはいける」と自民幹部
タイゾー議員の新潟鞍替えの可能性に触れた「スーパーモーニング」(テレビ朝日より)
衆院北海道1区の自民党支部では2007年12月27日、タイゾー議員の対抗馬だったYOSAKOIソーラン祭り創始者の会社役員、長谷川岳氏(36)を公認候補として党本部に推薦することを全会一致で決めた。一方のタイゾー議員は、1区で出馬することを重ねて強調している。
そんな中で、タイゾー新潟出馬説の可能性を論じているのが政治評論家の有馬晴海氏。有馬氏は、サンケイスポーツの2008年1月7日付記事で、「共倒れを防ぐべく、杉村氏を田中眞紀子氏の新潟5区に回すウルトラC案も出ている」と明かしたのだ。さらに、有馬氏は、テレビ朝日系で7日放送された「スーパーモーニング」で、個人的に自民党本部の選対幹部にタイゾー議員を新潟5区でやらせたらいいと進言したとし、次のように菅義偉選対副委員長ら幹部らの反応を語った。
「菅さんだけでなく、私が持ちかけたほとんど多くの幹部は、『面白い』『それはいける』という反応でした」
有馬氏によると、自民党本部としては、タイゾー議員が鞍替え出馬すれば、たとえ落選したとしても、比例で救済してもよいとの考えを示しているという。一方、菅副委員長自身も、タイゾー議員の「勇気を評価したい」などと前向きなコメントを繰り返している。
新潟5区では、自民党支部長の米山隆一氏(40)が出馬の構えを見せているが、まだ候補者は決まっていない。5区では、現在は無所属の田中眞紀子氏(63)という知名度ある現職がいるだけに、同じように知名度があるタイゾー議員との対決が見ものというわけだ。
本人「必ず北海道1区から出馬」
とはいえ、タイゾー議員には、新潟に地盤があるわけではない。もし出馬したとしても、勝算はあるのか。
もちろん厳しい戦いが予想されるが、政治評論家の有馬氏は、J-CASTニュースの取材に対し、やり方によっては勝てる可能性を示唆した。
「私は、面白い戦いをすると思いますね。太蔵さんは、眞紀子さんの父親(故・田中角栄元首相)が作り上げたような利権絡みとは違うところに立っています。真紀子さんとは支持層が違うのが面白いんですよ」
そこで、タイゾー議員サイドに聞いてみた。タイゾー議員の衆院第2議員会館内事務所の秘書は、「新潟で出馬することはありえません。無所属になるかどうかは分かりませんが、あくまでも北海道1区で出馬するということです」と強調した。本人に聞くことはできなかったが、SPA!08年1月1、8日合併号のコラムでは、「私は『誰が何と言おうとも、必ず北海道1区から出馬する』と申している」と述べている。
今回、自民党支部の推薦は得られなかったが、自民党本部で逆転公認の可能性がないわけではない。タイゾー議員は、「仮に自民党の公認を得られなかったとしても、無所属でも勝ち上がってくる、それこそが自民党の代議士としての資格であるとさえ、私は思っているのです」(前出のコラム)とあくまでも強気だ。
無所属なら、自民候補とも戦わなければならないが、こちらの勝算はどうか。前出の有馬氏は、
「自民、民主のそのときの風によるし、日本ではトライする人を評価する風潮も出てきています。まったく地の利がないわけでもないようです。やりようによっては、支持層を増やせる可能性は残っています。ですが、非常に大変だと思いますよ。(小選挙区の)今は政党政治の色が濃くなっており、その中で組織なく支持基盤を作ったり、ポスターを張ったりしないといけません。お金、時間がかかるし、無所属の選択は無謀な感じがしますね」
SPA!コラムの「近況」の中で、タイゾー議員は、自らの今年の漢字として、「命」や「絆」を挙げた。子どもを授かったことにあやかったものだ。もしかしたら、政治家としての「命」や党との「絆」にも願いを込めたのかもしれない。