爆笑問題が司会したフジテレビ系の紅白裏番組が低視聴率に終わったことが、ネットで話題を集めている。有名タレントが多数出演しただけに、爆笑の2人の力不足、特に、太田光さん(42)のKY(空気読めない)ぶりに原因を求める声も聞こえる。
視聴率は、1ケタ台の3.2%
爆笑問題が司会した「1億分の1の男」の公式サイト
2007年大晦日のNHK紅白歌合戦は、歴代ワースト2位の30%台という低視聴率だった。その分、民放各局の裏番組に視聴率が分散した形となった。
サンケイスポーツの2008年1月3日付記事によると、関東地区での視聴率では、TBS系の格闘技番組「K-1プレミアム」の14.7%(第2部)が裏番組のトップ。続いて、日本テレビ系のバラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」が12.4%、テレビ朝日系のバラエティ番組「よゐこ無人島0円生活」が11.8%、テレビ東京系の格闘技番組「ハッスル祭り」が4.0%と続く。「ハッスル祭り」の4.0%は、同局系としては06年並みだった。
しかし、他局や06年と比べて飛びぬけて悪かったのが、爆笑問題が司会をしたフジテレビ系のバラエティ番組「1億分の1の男」だ。その視聴率は、1ケタ台の3.2%だったのだ。07年のフジテレビは、週間視聴率トップ30に入る番組数ではダントツだっただけに、なおさら話題になっている。
今回初企画のバラエティ番組では、お笑い芸人、俳優、スポーツ選手ら約100人もの有名人が集まって、ボールなどを使った賞金ゲームを行った。アンガールズ、小倉優子、畑山隆則…。これだけの有名人がそろいながら、なぜ番組は失速したのか。
フジテレビの広報部は、J-CASTニュースの取材に対し、「うちとしてのコメントはございません」と繰り返すだけ。が、ネットを見ると、番組の企画に問題を指摘する声があった。
「年末格闘技であるならフジはプライドでしたが、消滅してしまったので番組編成に困ったのでしょう」(ミクシィの日記より)
「『箱の中からボールを引く』とか『5つの言葉から1つ選んで書く』とかいう学芸会でやっても盛り下がるようなゲームを、100人使ってやってれば面白くなるとどうやら本気で思ってたらしい」(ブログ「アップ↑ ̄ ̄ ̄ダウン↓___」の1月4日付日記より)
お笑い芸人なのに評論家的になったことが叩かれている
一方で、爆笑問題、特に太田光さんへの失望の声も強い。ミクシィの日記を見ると、「ま、爆笑問題の太田のオ〇ニープレイに皆飽きたんでしょうねwww」「まぁ~爆笑問題の実力なんてこんなものです」とシビアな意見が見られた。
光さんは、バラエティ番組などで、政治家を相手に知識人のように振舞ったり、教育論議の中でキャスターに「カツラ」発言をしたりして、ネットで反発の声も上がっている。
光さんの所属事務所タイタンの担当者は、大晦日番組の低視聴率については、「タレントだけのせいではありませんが、視聴率が低かったのは真摯に受け止めます」と反省を述べた。が、知識人ぶっているとの批判には、「番組で太田総理と呼ばれていること自体はギャグ。また、政治家がたくさん出演している中で、踊らされてしまえば迎合になってしまう」と反論。カツラ発言については、「(キャスター)本人には何度もそのネタを使っており、ギャグと受け止めて下さっています。番組最後の謝罪も、太田のギャグ。ビートたけしさんだって、同じようなことを言っていると思いますよ」と説明した。
これに対し、テレビ批評で知られる作家の麻生千晶さんは、光さんに厳しい見方をする。
「最近思うのは、彼はエラくなりすぎたということです。お笑い芸人なのに評論家的になったことが叩かれている原因だと思います。バラエティ番組では、政治家を集めて頭ごなしに突っ込んだり怒鳴ったり。お笑いで優秀なのは認めますが、『自分には力がある』『お前らバカな政治家より上』といういやらしさがあるんですよ。カツラ発言にしても、分をわきまえていませんね。品位の問題であって、ギャグというのは負け惜しみです。今は、一回当てればすぐに芸能人になってしまうので、自分はエラいと錯覚して、KYなタレントがはびこるんじゃないでしょうか」
麻生さんはまた、ビートたけしさんとの違いも指摘した。
「たけしさんは、シリアスな政治評論も手掛けていますが、お笑いのときは、ずっこけるんですね。そこがすごいところ。太田さんは自分の意見を言っちゃって、言っていることに陶酔してしまう。そこが違うところですよ」