オンラインゲームをめぐるトラブルが相次いでいる。特に多いのが、「突然アカウントを停止され、何故止められたのか、何の説明もない。冤罪だ」という声だ。一方のゲームメーカーメーカー側も、「公式サイトに書いてある内容以外は答えられない」と答えるばかりで、公式サイトを見ても、「手の内を明かしたくないので理由は答えられない」と言った内容が書いてあるばかりだ。このゲームに限らず、オンラインゲームにはこのような問題が相次いでいるといい、利用者側の不満がくすぶっている。
1週間に690件の規約違反が確認?
掲示板上では「冤罪」を訴える声も多い
問題となっているのは、カプコンが運営する「モンスターハンターフロンティア」。J-CASTニュースの調べによると、2007年12月7日の夜から、大量にアカウントが停止され、ネット上には
「身に覚えがないのにアカウントを停止された。冤罪だ」
と言った声が相次ぎ、同ゲームの公式掲示板も
「まったく身に覚えがないのに、こんな事になるなんて本当にがっかりです」
といった声であふれた。ところが翌12月8日夜になって、これらの書き込みが削除され、騒動が拡大していた。
12月11日には、公式サイトにメンテナンス情報などをまとめた「運営レポート」が掲載され、公式見解が示された。これによると、12月3日から12月9日の1週間に690件の規約違反が確認されたとして、これらのアカウントに対して、アカウント停止などの措置を行ったことを明らかにしている、さらに、一問一答形式でユーザーの疑問に答えようとしたが、全くユーザーを納得させるに足るものではなかったようなのだ。例えば、こんな具合だ。
「Q:友人がチート(編注: 詐欺、違反)行為の疑いで、アカウント凍結をされました。友人は絶対にチート行為をしていないと私に話しています。その友人の利用停止措置を解除してください。
A:運営チームにて不正行為を確認したための罰則となりますため、申し訳ございませんが解除することはできません」
さらに、公式BBSで「冤罪」を訴えるスレッドが削除された理由についても、「掲示板の使用目的と異なる為です」と一蹴。
12月上旬には「冤罪」を訴える有志によるまとめサイトが立ち上がり、現在でも活発な情報交換が続いているが、事態は好転する様子は見られず、サイト内では
「内容証明を送付した」
といった声もあがっている。
「手の内を明かしたくない」という理由で、説明を拒む
一方、矛先を向けた側のカプコンは、この問題にどのように取り組むつもりなのだろうか。
広報・IR室に聞いてみると、「サポートセンターに直接聞いて欲しい」とのことで、番号を提供された。
この番号に電話して聞いてみると、
「こちらは電話窓口で、こちらでは情報を持っていない。アカウント停止については、ウェブサイトの『お問い合わせフォーム』から問い合わせて欲しい」
との答え。同フォームにアクセスしてみると、同ゲームのIDとパスワードがないと質問できない仕組みだ。そこで、サポート窓口に
「ゲームのIDを持っていない人間が問い合わせをする方法は何かあるのか」
と改めて聞くと、
「第三者に対しては、公式サイトに記載されていること以上はお答えできない」
との答えが返ってきた。なお、公式サイトには
「アカウント凍結者に対してより詳細な凍結理由の内容を説明するべき、というご意見に関しては、『チートツール作成者』『チート実行者』に対して、『どのような調査を行なっているのか?』『どのようなチート行為を厳しく調査しているのか』などの情報を与えたくないという理由から現段階では、それを把握されない程度での情報開示というスタンスで対応させていただいております」
とあり、「手の内を明かしたくない」という理由で、事実上説明を拒んでいる状態だ。
なお、オンラインゲームをめぐるトラブルは、同ゲームだけではない。国民生活センターでは、ウェブ上に設置した情報提供窓口「消費者トラブルメール箱」には、07年(1~11月)だけで405件のオンラインゲームに関するトラブル情報が寄せられた。特に多いのは「利用規約に違反する利用者を運営業者が取り締まらない」「接続障害が頻繁に発生し、ゲームが利用できない」といったものだ。同センターでは「個別の事例についてはお答えできない」としながらも、今回問題になったような「身に覚えがないのに、突然アカウント停止処分を受けた」との声も少なくないという。
同センターでは、05年の段階でオンラインゲームでのトラブルについて報道発表し、注意喚起をしているが、それ以降も状況は大きく変わってはいないのだという。