年明け早々、東京株式市場の大発会は大幅な株価下落に見舞われたが、日本の景気が転換期を迎えているとの判断が広がっている。2008年1月2日に共同通信社がまとめた主要企業110社の景気アンケート調査によると、2008年の日本経済について、「横ばい、踊り場」などと答えた企業は約35%を占めた。また、東京新聞が行った214社の景気アンケートでも「減速の兆候がある」とした企業が全体の約4割を占めた。昨夏以降のサブプライム住宅ローン問題によって金融市場が混乱していることもあって、景気拡大の動きに陰りが出てきたとみる経営者が増えている。
「減速兆候」約4割に
景気「減速」予想する経営者が増えている(写真はイメージ)
共同通信社が主要110社を対象にした2008年の景気アンケート調査では、日本経済が「緩やかに拡大」と答えた企業が72社と最も多かった。しかし、1年前のアンケート調査では「景気の後退」を予想する見方はなく、「横ばい」と答えた企業も10%にとどまっていたが、今回は「横ばい、踊り場」「緩やかに後退」と答えた企業があわせて35%を占めた。報道によると、「3社に1社が02年から始まった戦後最長の景気拡大局面が転換期を迎えつつあると判断している」結果となった。
東京新聞は1月4日、全国の主要214社に行った景気アンケートの結果をまとめた。それによると日本経済の景気の現状について、前回(07年9月)、「緩やかに拡大」と答えた企業は60.8%を占めていたのに対して、今回は33.9%にまで減少。「拡大するも減速兆候」と答えた企業が前回の22.6%から39.9%にも増えた。「横ばい状態」「緩やかな下降に」と答えた企業があわせて25.8%に達しており、昨年よりも厳しく見ている経営者が多いようだ。
一方、読売新聞は2日、主要企業30社の経営トップを対象に新春・景気アンケートを実施し、07年に比べて「成長ペースが上向く」と答えた経営者が7人、「同程度の成長を維持する」と答えた経営者が10人、「成長率は鈍化するが、成長そのものは続く」と答えた7人をあわせて、全体の8割にあたる24人が2008年も景気回復局面が続くことを見込んでいると報じた。
大発会、終値は616円安 造船、自動車も下落
内閣府と財務省が07年12月25日に公表した企業景気予測(07年10-12月)でも、大企業(全産業)の国内景況判断BSI(景気が上昇すると答えた企業と下降すると答えた企業との差)の2008年1-3月見通しでマイナス4.5、中堅・中小企業は2ケタのマイナス予測と芳しくない。大企業は4-6月には回復するとみているが、中堅・中小企業はマイナス見通しの姿勢を崩さない。
年明け早々、東京株式市場の大発会を襲った大幅な株価下落によって、終値は1万4691円58銭と、前年末比616円37銭下落した。米ドル為替は1ドル=109円25銭~109円30銭と、3円85銭(4日16時)の円高だった。一時1バレル=100ドルを超えたニューヨークの原油価格、サブプライム問題による米国株安に円高が加わって、造船や自動車といったこれまで好調といわれていた輸出関連産業の下落が目立った。