ヤフー・ニュース 川邊健太郎氏インタビュー(上)
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   2007年はネットニュース業界にとって激動の年だった。朝日新聞読売新聞日本経済新聞が提携を発表。MSN毎日新聞と離れ、新たに産経新聞と組むなど、新しい動きが進んだ。コンテンツを供給する大手新聞がネットニュースに力を入れ始めたのは明らかだ。ネットニュースの巨人「ヤフー・ニュース」はどんな方策を考えているのか。責任者の川邊健太郎氏に話を聞いた。

共同通信が抜けたことを真摯に受け止めた

「何を面白いと思うかがメチャクチャ多様化している」と川邊氏は語る
「何を面白いと思うかがメチャクチャ多様化している」と川邊氏は語る

――07年のネットニュース業界はいろいろ動きがありました。

川邊 07年は確かにいろいろ動きがありましたが、ヤフー・ニュースにとってそれほどの変化があったかというと、そうでもない気がします。むしろ06年に共同通信が抜けたこと、これが一番インパクトがありました。なぜ、情報提供元が抜けるのか。それを真摯に受け止め分析し、対策を打ち出しました。

――それはどんな内容ですか。

川邊 端的に言うと、ヤフー・ニュースも、情報提供元のサイトも、一緒になって大きくなって行きましょう、という提案です。 これまで、記事本文だけを掲載する形でやってきました。情報提供も契約で月に100本といった形で決めていたわけです。それを07年からは記事の下に各社の関連記事リンクを貼り、ヤフーから向こうにも多くのお客に行ってもらおう、という方式に変えました。一種の方針転換といえるでしょう。 ヤフーに配信いただいている会社も、紙とウェブの調整というか、内部で多少の食い違いはあるかもしれませんが、ウェブにもPV(ページビュー)が欲しい、という気持ちは強いと思います。今回の方式によって提供元さんのサイトのPVも急激に伸び、歓迎されています。 また、ユーザーにとってもメリットがあります。これまで1本読んで終わりだったのが、関連記事がリンクされていることで、今まで知らなかった情報が得られます。その結果、サービス面も向上したということです。

―――多少他のサイトに「逃げて」いってもしかたがないと思われたわけですよね。ヤフー自体のPVはどうなったのですか?

川邊 あまり悪影響、なかったんです。月によってPVは変化するんですが、ならしてみると4半期ごとに10%近い伸びで来ています。例えば、06年9月は約29億PVでしたが、07年8月は約35億PVですね。07年は話題性のある事件にも恵まれました。アクセスが最も多かったのは、6,7月の安倍前総理辞任騒動、10月の沢尻エリカ問題、亀田問題でしたね。
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