「軽油」に代わる次世代燃料 「FTD燃料」とはどんなもの?

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価格は軽油より少し割高になる

   ヨーロッパでは燃費のよいディーゼル車が人気ということもあって、ギリシャやドイツなどでは軽油にFTD燃料を混ぜた「プレミアム軽油」として販売されている。

   日本では、2002年(平成14年)から「独立行政法人交通安全環境研究所(交通研)」を中心に、「FTD燃料」の使用に向けて開発が進められている。

   「FTD燃料」は、含まれる成分が軽油に似ていることから、車両やガソリンスタンドを変えなくても、既存のインフラを使うことができるという利点がある。しかし、価格は軽油より少し割高になるだろうという。現段階では、精製にコストがかかるからだ。

   昭和シェルでは同様のFT製法で作られた燃料を「エコ灯油」と名づけて、神奈川、群馬、東京で2004年からテスト販売を開始している。普通の「灯油」の3割増しで販売されているが、評判はなかなかよいという。昭和シェル広報はこう説明する。

「灯油に比べて、においの成分(硫黄やアロマ分)を含まないので、匂いが全くありません。また、液体自体もサラサラしていてベタつきもありません。これらの点で評判がよく、リピーターが多いと聞いております」

   今回の実験は、トヨタ輸送の保有するトラックを使用して、愛知県豊田市周辺から同社事業所間(本社と東富士研究所)を走行する。エンジンを使った先行試験結果では、粒子状物質等が減ったことが確認されている。今回は、実際にエンジンを車両に搭載し、燃料噴射系の部品や燃料ホースへの影響を調査する。

   日野自動車広報は、実用化について「実験結果によりますが、将来の地球環境をにらんで実験段階です」と話している。

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