「極端から極端へと民意が振れ、民度がかつてなく低下しています」
社会学者の宮台真司さんは2007年12月22日のブログで、社会の「共通前提」が崩壊してしまった現状で、「ノリ」によって擬似的な共通前提を作り出さないとコミュニケーションが進められない状態だと分析し、「空気」を壊すことへの「異常な忌避」が生まれたと指摘。
「昨今の『KY問題』が突きつけているのは、共通前提の崩壊がもたらした過剰不安と、不安の埋め合せへの過剰要求です。それらのせいで截然とした二元論が要求されがちです。その結果、極端から極端へと民意が振れます。その意味で民度がかつてなく低下しています」
と、「民意の低下」やメディアが「KY」を利用している現状を批判している。
上武大学大学院教授でブロガーとしても知られる池田信夫さんは07年12月23日に自身のブログで、宮台真司さんのこの指摘に賛意を示しつつ、
「日本のメディアは空気によって党派がわかれ、慰安婦でも沖縄でも、初めに結論ありきで、歴史的事実におかまいなしに、朝日=岩波ムラと産経=文春ムラにわかれて罵倒の応酬が続き、論理的な論争が成立しない。たとえば『諸君!』に執筆すると、文春ムラに入ったとみなされ、そっち系の雑誌からばかり注文が来るようになる」
とメディアの「空気を読む」姿勢について批判を展開している。
小栗旬さんの「KYって言葉が許せない」「どこまで知的レベルを落とせばいいんだ、この国は」という発言とどこまで共通性があるのかは分からないが、少なくともメディアが「KY」を頻発する現象に違和感を覚える人が多くいるのは確かなようだ。