「行方不明男児を探して」 ミクシィ「チェーン日記」で大混乱

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   「ミクシィ」(mixi)内で、行方不明の男児を探して欲しいという内容の「チェーンメール」のような日記(チェーン日記)が広がり大混乱になっている。多くの人は「善意」で「バトン」を渡しているのだが、男児の保護者の電話番号や住所など個人情報が出回ったり、中には見つかっていないのに「見つかった」という誤報も出現した。この「善意」に反発もあり「やめよう」とカキコむ人も結構いる。担当警察署にも問い合わせが殺到し、しばらくは収拾がつきそうにない。

行方不明児の保護者の個人情報も出てしまった

「ミクシィ」には男児の捜索コミュもできている。
「ミクシィ」には男児の捜索コミュもできている。

   問題の「チェーン日記」にはこんなことが書かれている。

「『捜索願いです』横浜市都筑区東山田 (港北ニュータウン)在住○○君12歳の男の子が、12月6日(木)から行方不明です… マイミクの皆様の力を貸して下さいm(__)m お願いします。良かったら、この日記をコピーして、貼り付けて日記を書き、バトンのようにマイミクから、マイミクへとまわして宣伝してください!!」

   このメールを受け取った人や、「ミクシィ」内でこの文章を見た人は、書かれている通りに日記にコピーして貼り付け、さらに「マイミク」に捜索の協力を呼び掛けた。日記には男児の写真や、「Google map」で作った「目撃情報」をまとめた地図、所轄の警察署や行政機関の電話番号などを掲載しているものもある。協力姿勢が加熱したことで、男児の保護者の電話番号や住所など個人情報も出てしまった。2007年12月26日現在、行方不明の男児の名前で日記を検索すると、3300件以上がヒット。また、「男児捜索コミュ」まで作られた。そうした日記のコメント欄には、「私も同じ年の子供がいて人事ではない」「協力してあげて!」「クリスマスなのに・・」といった悲鳴のような感想が綴られている。

   一方で、今回の「チェーン日記」の広がりを問題視する日記やコミュも出てきている。それは、「回覧させる行為」が一人歩きし、情報自体の信憑性も損なっている、というものだ。その根拠になっているのが「mixiでまたチェーン日記 善意が混乱招く」と題された06年9月28日付けの「ITmedia」の記事だ。

   記事は「mixi」ユーザーの日本人写真家がロサンゼルスで行方不明になり、情報提供を呼び掛ける大量の「チェーン日記」が出た、というもの。その結果、写真家の「mixi」日記のコメント欄が応援メッセージで満杯になり、新たな情報提供ができない状態になった。さらに、写真家の家族の携帯電話番号も広まり、関係ない人から家族に電話が殺到することになったのだという。だから、今回に関してもこんな意見も出ているのだ。

「情報が氾濫して垂れ流し状態になり、捜査に支障をきたしたり、善意の応援にご家族やお身内の方が対応に追われたり、、、情報を簡単に発信できる便利な世の中になりましたが、様々な弊害がありますね」
「(チェーン日記は) 善意にも、悪意にも受け止める事ができます」

   神奈川県都筑警察署生活安全課には、男児行方不明に関する問い合わせが07年12月20日頃から急激に増え、毎日100件以上ものメールや電話が来ていて、「ミクシィ」で知ったというものがかなりの数になるのだという。問い合わせは「ホントのことですか?」というのが中心で、署員が本当だと説明すると素直に納得。捜査に協力したいなどと言うそうだ。中には、「チェーンメールは迷惑だから削除してくれ」「男児の家族の電話番号が出ているのは酷い」といったトバッチリ文句もあるという。

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