アイドル気取りの姫井告白本 民主県連「選挙前に不謹慎」

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   民主党姫井由美子参院議員(48)が、不倫騒動を含めて生い立ちを語る告白本が2007年12月28日に緊急出版される。大胆なドレス姿まで披露、芸能界デビューと誤解されかねない内容のようだ。これに対して、地元の民主党岡山県連から「総選挙前なのに」と反発が出ている。姫井議員はJ-CASTニュースの取材に応じ、本を出版した動機などを語った。

「不倫については、語れる範囲内で」

姫井由美子議員の公式ホームページ
姫井由美子議員の公式ホームページ

   姫井議員が書いたのは、自叙伝の「姫の告白」。双葉社から12月28日に1260円で緊急出版される。同社の担当者によると、自叙伝には、不倫騒動や参院選出馬のほか、小さいころの登校拒否、初恋、離婚危機、それを乗り越えて得た家族の絆まで、姫井議員が半生を振り返る内容になっている。

   週刊誌に暴露されて話題になった元高校教師との不倫については、約20ページにわたってその真相を語っているという。

   一部メディアを除いて沈黙を続けてきた姫井議員だが、一体どんな心境の変化があったのか。J-CASTニュースが連絡を取ったところ、姫井議員は初めて取材に応じ、次のように出版の動機を語った。

「不倫については、語れる範囲内で語っていますが、これはその釈明本ではありません。出版の企画は最初、特別な環境にない女性が当選して全国から注目を集めたことに対してありました。それが先延ばしになっており、一部内容を変更して出すことになったということです。選挙、国会、そして、当選後にあった一連のことに対して考えたことを書き加えました」

   ところが、告白本出版の件は、一部メディアで先行して報道され、民主党岡山県連には、反発の声が相次いだ。「スキャンダル騒動に油を注ぐだけ」「衆院選の前なのに、党のイメージダウンだ」といった理由からだ。12月2日の常任幹事会では、姫井議員に離党勧告することさえ議論になった。

   県連からは、「選挙後に出版してほしい」との意見があったが、姫井議員は、「出版契約があって先延ばしできなかった」としている。

   一方で、姫井議員は、「誤解を解きたい」と考えた。そこで、民主党本部に12月20日に電話して、「報道は事実と違うこと、今後は取材を受けることの2点を伝えた」という。「このまま放っておくとエスカレートする」(姫井議員)と思い、それまでの沈黙方針を転換したわけだ。

「芸能界デビューではありません」

   姫井議員によると、告白本の狙いは、「主婦でも、子育てしながら自分を変えることができる。夢が実現できることを訴え、エールを送ること」だという。双葉社の担当者も、「地元に地盤がなく、結婚して子どもが2人いる。今までの政治家と違うタイプが、『姫の虎退治』の参院選で話題になるまでを語ってもらうことが目的。これは女性姫井としての自叙伝です」と説明する。「女性は誰でも姫になれる」が本のコンセプトだという。

   不倫騒動については、「そのときの苦い思い、経験を踏まえて、家族との絆が逆に強くなり、姫井自らが変わったことをつづっています」とこの担当者。

   すると、姫井議員は、不倫を認めたということなのか。J-CASTニュースがそのことをただすと、姫井議員は、「それに関してはノーコメントです」と答えた。やはり不倫疑惑「反論せず」作戦は続けているようだ。

   疑惑をあいまいにしながら、告白本では、まるでアイドルのように着飾った姫井議員のグラビアを8ページにわたって掲載した。双葉社の担当者によると、両肩を大胆に露出したお姫様風ドレス姿や脚を開いたサービスショットまである。報道で話題になったためか、同社には注文がかなり来ているという。初版は2万5000部だが、なくなればすぐに重版するとしている。年末には、テレビ局をはしごし、年明けにサイン会までする予定。

   もしや芸能界入り?と勘ぐるほどだが、姫井議員は、「芸能界デビューではありません。小池百合子さんだって、サイン会をしていますよね」とさらりとかわした。双葉社の担当者は、「それはないのでは。というより、堂々としているので政治家向き」と話す。

   ただ、民主党関係者の評価は、厳しい。党本部は、この件について「関わりを持っていません」(鳩山由紀夫幹事長)と逃げ腰だが、岡山県連幹部からは、「みんなの思いを踏みにじっている」と不満の声が上がっている。

   告白本では、不倫疑惑については、次のように書かれている。

「私は、私なりに語らない理由があった。今回の件は、これまでに味わったことのない経験でした。私が沈黙を守っていたのは、それは、相手の方へのできる限りの誠意のつもりでした」
「過去にとらわれるより、気持ちを切り替えて前に進んでほしい」

   今後の選挙では、有権者へもその誠意が伝わるだろうか。

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