取材断わると、手のひらを返したように非難する記事?
この「東国原知事VS共同通信」の構図に参入したかたちになるのが週刊文春(07年12月20日号)である。「ニュース23新キャスターに難クセ 東国原知事をどげんせんといかん」と題された記事は東国原知事の共同通信「口撃」に触れ、共同通信の「口利き」とされているものは、知事インタビューの関連記事で、「お願い」は「普通の取材方法だった」という県政担当記者のコメントを紹介。
さらに、「徴兵制発言」は他社も同様の記事を書いているにも係らず共同通信を名指しで批判したのは「難クセ」に等しい。「NEWS23」の新キャスターについても「まったくオソマツなのは知事のほうである」としている。最後には、東国原知事が「(宮崎を)どげんかせんといかん」という言葉で07年の流行語大賞に選ばれたことを皮肉って、「『どげんかせんといかん』のは知事のほうではないか」と締めくくっている。
東国原知事は、よほど癪に障ったのかこれまた週刊文春の取材方法について2007年12月14日のブログで暴露。「口利き」をめぐる共同通信記者とのやりとりを一問一答方式で載せたあとに、
「僕のブログを読んだ週刊文春から『知事と一緒に共同通信を批判させてもらいたいので、取材をさせくれ』と依頼が来た。文春にはこれまで何度となく裏切られた経緯がある。キチンとこちらが取材に応じても、何を書かれるか分からないので、『宮崎の見方になって頂きたい』ということと『編集権、つまり事前に全記事のゲラをチェックをさせて頂きたい。それだったら取材に応じます』と申し出たら、『そんなことは出来ない』と断られたので、議会中で時間が無いこともあり、取材はお断りした。すると、手のひらを返したように、今度は、こちら側を非難する記事である。まぁ、あそこはああいうところである」
と述べて批判している。
さらには、「特に、文春のI記者などは、さも人の良さそうな人懐っこい顔でニコニコと近づいて来る」などと記者をほぼ名指しで批判し、「どげんかせんといかんのはそちらの方ではなかろうか?」と皮肉を皮肉で返すなど、「流行語大賞」で知事と週刊誌が互いに批判しあう異例の展開にもつれこんだ。
「言い返された」かたちになる週刊文春は「どげんかせんといかん」という言葉をどう受け止めているのだろうか。同誌編集部はJ-CASTニュースに対し、
「こちらから申し上げることはなく、記事に書いてあることが全てです」
と述べている。