デスノートに「似てる、似てない」 少年サンデー連載ネットで話題

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   小学館週刊少年サンデーで連載が始まった漫画が、人気漫画「デスノート」に設定などが似ているのでは、とネットで話題になっている。ただ、登場人物の描写など、両漫画には違う部分も多い。

退屈さ感じて人類浄化目指す主人公

サンデーの「ロストブレイン」(右)と「デスノート」単行本第1巻のワンシーン
サンデーの「ロストブレイン」(右)と「デスノート」単行本第1巻のワンシーン

   似ていると指摘された漫画の名前は、「ロストブレイン」。週刊少年サンデー2007年12月12日発売号から連載が始まった。「衝撃新連載!!!」との触れ込みでこの号の巻頭を飾り、第1話は64ページにわたって載っている。表紙では、「サンデー期待の新鋭コンビが放つ空前絶後の『超心理』サスペンス」と紹介されている。

   一方、「デスノート」は、集英社の週刊少年ジャンプで2003年12月から06年5月まで連載され、テレビアニメや実写映画にもなった人気作。すでに、12巻まで単行本になっている。

   両漫画を比べて読むと、確かに類似点がいくつかある。主人公の少年は、ともに学校一の秀才だが、日常生活に退屈さを感じている。そして、何かの力を借りて、人類を浄化したいとの衝動に駆られる。

   デスノートでは、名前を書き込んだ人が死ぬノートによってそれを実現しようとする。これに対し、ロストブレインでは、まだ触りに過ぎないものの、催眠術によってそれを実現しようとするとも読める。デスノートでは、主人公にノートを渡したのが死神で、ロストブレインでは、主人公が学ぼうとしているのが催眠カウンセラーだ。

   少年サンデーでは、連載漫画のページ余白に、原作者と作画者が紹介されている。原作者は、「初の週刊連載、楽しみや緊張など様々な思いで一杯です。本作は、一風変わった題材を扱った漫画ではありますが、皆さんに楽しんでいただけたら本望です」とあいさつ。作画者は、「ついにこの場所に連載コメントを載せることが出来ました。原作の面白味を、どう表現したら上手く伝わるか、苦労もしましたが、こうして読者の前に出すことができて感慨もひとしおです」。ともに、新人だけに初々しいコメントが並んでいる。

「下敷きにしたことはございません」

   意識的でないにせよ、デスノートに影響されてしまった、という可能性はないのだろうか。J-CASTニュースが小学館に当てると、広報室の担当者からは、「下敷きにしたことはございません」という全否定のコメントが返ってきた。

   デスノート側の集英社にも聞くと、広報室の担当者は「この件については、ノーコメントです」と答えるのみだった。一方、小学館の担当者は、集英社側から何か申し入れなどがあったかについては、「一切ございません」としている。

   ロストブレインは、デスノートと相違点も多くある。ロストブレインでは、最初から周囲を「つまらない人間」とけなす主人公の鬱々とした退屈さが描かれている。が、デスノートの主人公は、「欲しい物は手に入った」という退屈さだけで、周囲に不満があるわけではない。また、ロストブレインでは、死神界はなく現実世界だけが描かれており、主人公に冷たくされてもなお慕う女性やいじめられて助けを求める男子のようなキャラクターはデスノートには登場しない。

   ネットの一部では、誹謗・中傷の類もみられるが、次のブログ日記のように、読後の複雑な感想を漏らす声もある。

「今後は催眠で人を思うように動かそうとするんでしょうね かかったら死ぬ催眠とかやめてくださいね 根本から人を変えようとしてるのでそこは最悪大丈夫かとも思いますが まあこれからもいろいろあると思いますけど新世界の神を目指して頑張ってください」(男性のブログ「無責任。」より)
「う~ん。似てるっていえば似てる気もするけど、やっぱりちがうぞ。デスノートのライトは、社会に絶望してましたが、それは悪がはびこってるから。ロストブレインの主人公は、俺は天才、まわりは屑。ってことで人生や社会に絶望してるだけ。(中略)まあ、たしかに絵の雰囲気はデスノートに似てますけど。(ちょっと落ちるけど)ぜんぜんちがう絵だったら、パクり疑惑も出なかったんじゃないでしょうか?」(東京都内の小説家志望男性のブログ「南の海のワナビ」より)

   似ている部分があるといっても、まだ連載1話目。やはり、2話以降を読んで判断するしかなさそうだ。

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