auは「非常にデリケートな問題」
逆に否定的なのはauブランドのKDDIで、
「非常にデリケートな問題。地下鉄では改札(コンコース)まではサービスエリアとして想定していますが、ホームで使えるということは想定していません。今のところ、トンネル内にアンテナを建てる、といった計画はありません」
と車内でケータイを使う上でのルールとの整合性を気にしている様子だった。また、PHS最大手のウィルコムでは、
「『いつまでに』ということは分かりませんが、検討はしています。(トンネル内での)回線スペースなど、物理的な問題をどう解決するかが、今後の課題です」
と話している。
このように、携帯電話事業者を見てみただけでも、方針はばらばらなのだが、「メールは容認」という鉄道事業者のルールも、決して「全国統一」という訳ではないのだ。例えば札幌、仙台、名古屋の地下鉄では「車内では電源をお切りください」との方針を打ち出している。いわば「メールもNG」とのスタンスだ。また、横浜市営地下鉄では03年12月から、特定の優先席を定めない「全席優先席」を掲げており、やはり「車内では電源オフ」を求めている。
このように、各社がまとまっていない状況なのだが、地下区間でもケータイが通じる路線もある。地下鉄ではないが、学園都市として知られる茨城県つくば市と東京・秋葉原を結ぶ「つくばエクスプレス」だ。05年に開業したばかりの同路線は、都市部では地下トンネル区間が多いが、トンネル内でも携帯電話(PHSをのぞく)が「圏内」なのだ。同路線を運営する「首都圏新都市鉄道」によると、
「トンネル内には、100メートルおきにアンテナを設置してあります」
とのことだ。