「分割払い」の扱いには「温度差」
このときまで順調だった個人ローンは、06年12月の改正貸金業法の成立に伴い貸出金利の引き下げや過払い金返還訴訟が相次ぎ、信販会社の体力を急速に奪っている。
信販会社の足を引っ張るもうひとつの要因が、割賦販売法の改正案だ。リフォームやエステ、健康食品など、通信販売で高齢者や女性に高額商品を売りつける悪質業者と、消費者とのトラブルが続出。商品・サービスの支払いであいだに入った信販会社が、商品の販売会社をしっかり「審査」しなかったと非難された。割賦販売法の改正案では、被害者が信販会社に支払った代金を取り戻すことができるようにし、悪質業者と付き合った信販会社を処分できるようにする可能性がある。
信販各社はすでに業界をあげて加盟店の点検に取り組んでいるが、CFは「業界のガイドラインよりも厳しく(加盟店管理を)行っていて、今後は場合によって加盟店の絞込みもあると思います」(経営企画部)という。しかし、「通販会社など特定商品販売法の業者は、新しい分野でまだ伸びる余地がある」と注目しているし、「分割払いはカード事業のシナジー効果を狙うのに必要」と、収益源であることを強調する。
一方の三菱UFJニコスは軸足をクレジットカード事業に置き、「(分割払いは)ほとんど取り扱っていない」という。分割払いの取り組みは、業界内でも多少の温度差があるようだ。
クレジットカード業務も、銀行系や流通系などが入り乱れ、カード保持者は飽和状態。多様化する「支払い方法」にも対応するため、最近はJR東日本のSuicaなどの電子マネーと組むケースも出てくるなど、こちらの競争も激しい。どこもカード保持者の「囲い込み」に懸命で、利益確保もひと筋縄ではいかないようだ。