SMの女王様キャラで「このブタ野郎!」と毒づく人気のお笑い芸人、にしおかすみこさんがテレビの番組に出演し泣きじゃくった。「ドS」(超サディスト)キャラで売っているが、実は「ドM」(超マゾヒスト)で、相手に噛み付く演技はもうできない、と告白したのだ。そんなにしおかさんを気遣う出演者に対し、「優しさをありがとう」と涙が止まらなかった。
「事務所からドSでやり通しなさいっていわれた」
ブログでは「女王様らしくできないこともある」と悩んでいた
にしおかさんが出演したのは、2007年12月11日放送のテレビ朝日系バラエティ番組「ロンドンハーツ」。出演者がお互いを批評しあう「格付けしあう女たち」のコーナーでのこと。にしおかさんはいつものように「あの人バカじゃない?!」「ちょっとマッター!!」などと毒づいていたのだが、同じ出演者の柳原可奈子さんが、青木さやかさんに褒められ、うれし涙を流した時から様子が変わってくる。にしおかさんと柳原さんは友達だそうで、柳原さんが褒められたことが嬉しくてもらい泣きしたのだ。そして、そのもらい泣きがずっと続いた。それは、「ドS」キャラとはかけ離れた姿だった。
司会のお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんが、
「Mじゃん、おたく。キャラ崩壊しているんですよ」
と見たままを言ったことから、スタジオの雰囲気は急変する。そして、所属事務所の先輩、青木さんが、にしおかさんは泣き虫だ、とバラした。大食いアイドルギャル曽根さんも出演していて、過去に大泣きしている場面に遭遇したと話した。にしおかさんは意を決したように、ギャル曽根さんが見たという大泣きの原因を、涙ながらに告白。そして号泣に変わって行く。
ギャル曽根さんが見たのは、どうやら、「ドS」キャラでデビューした時の事だったようだ。にしおかさんは、
「SMで出て行こう、となったときに、だからドMだから・・・SMのSだってできなかったんですよ。それを事務所がドSでやり通しなさいって言った。第一回目の収録で喋っていた時に、やっぱり(ドSを)通せなかった」
と涙声で語った。実際は「ドS」とはかけ離れた性格のため、いつも芸がカラ回りしていると悩んでいた。素の姿が出てしまうことで、毎回毎回「反省会」が開かれ、事務所からは「噛みつけ!」と言われ続けてきたのだという。そして、
「SかMなんて、本当は興味が無い」
と言い切った。すかさず青木さんが、
「じゃぁ、どうやってテレビに出るつもりなのよ!」
と怒りの声を上げた。
完璧に、「ドM」芸をこなしていた?
ここで番組の進行が中断する。番組の総合演出担当者が、にしおかさんの発言に戸惑い、
「(にしおかさんの)事務所から、後でもし(にしおかさんの発言部分を)切ってくれと言われたら(番組の流れが)繋がらなくなる」
と言い出したのだ。すると、青木さんがにしおかさんに対しブチ切れた。
「事務所が、事務所がって言ってるんじゃないよ!お前、自分で責任取れよ!!!」
番組はその後、出演メンバーによるにしおかさんへのアドバイスが映された。アドバイスは、「キャラをMに変えればいい」「男に思いっきり抱かれればいい」「ドSの男に調教されればいい」などが出た。にしおかさんは感極まって泣きじゃくりながら、
「みんな一生懸命考えてくれる。本当は噛み付きたくないんだよ。(お互いを批評しあう)ロンハー(この番組『ロンドンハーツ』)なんて、本当は出たくないんだよ~」
と番組批判をした。
番組最後で、田村さんが、にしおかさんに視聴者への一言を求めると、涙声で、
「今までどうもありがとうございました」
と挨拶した。出演者達は「別れの言葉」だと受け止めたようで、「辞めないで」「辞めないで」の連呼になった。にしおかさんは出演者に、
「優しさをありがとう」
と礼をした。番組の後半のにしおかさんは、完璧に、「ドM」芸をこなしていた。